
りんと山本の病院、脱出作戦
ここからが、見ていてつらい展開になる。
ある日、山本宛てに電報が届く。それはテイが発熱して倒れ、看病に行けなくなったという報だった。
弱り目にたたり目。テイは看病の疲れがたたって倒れてしまったのかもしれない。あるいは、夫のことを思いすぎてメンタルに支障をきたしたのかも。
山本がたったひとりで病室で過ごしているうちに、花火の日が来た。
いったん家に帰りたいと今井(古川雄大)に頼むが、許可がおりるわけもない。
「もう少し体調が元に戻ってからでないと。帰宅した途端、体調が悪化することも考えられます」
山本は見るからに具合が悪そうで立ち上がるのも難しそう。今井の判断は当然だ。それでも食い下がると、今井は言い方を変える。
「我々は最善を尽くしています。今帰宅したら、命の保証はできません」
最初の返事も、そのあとの返事でも嘘はついていない。医者は言い方に工夫はするが、嘘をつかないのだと感じる描写だ。
今井はりんにはもう少しはっきり言う。
「このままだともって、あと1、2週間だろう」「気をしっかり持つよう励ましてやってくれ」
ここにも嘘はない。
主治医が話を聞いてくれないので、山本はりんに、家に連れ帰ってほしいと頼む。このまま死んだら、テイが自分を責める。そのことを考えると死んでも死にきれないと言うのだ。
「最後にひとつ、嘘をつかせてほしい。助けてください」
まっすぐすがる山本に、りんの目は揺れる。
だが、ついに決意して――。
人力車に乗るりんと山本の上空で花火が爆ぜる。なかなか劇的なところで来週につづく。連続ドラマにはクリフハンガー(引きになる印象的な仕掛け)が必要とはいえ、患者の命の行方を引きに使用するのはいかがなものか。エンタメとテーマのバランスについてちょっと考えてしまう。
『風、薫る』では千佳子(仲間由紀恵)や小野田(宮地雅子)のエピソードでもそれをやっていた。千佳子は無事に手術が成功したが、小野田は治療の甲斐なく亡くなった。山本はどうなる?








