米国では住宅ローンで利息分だけ支払うローンがある。資産がインフレしているなら、それもありだと昔から思っていた。戸建と違い、マンションの資産価値は高く、インフレしやすく、残価が残りやすい。

 今回、住信SBIネット銀行がメガバンク・ネット銀行初のマンション版残価設定ローンを商品提供し始めた。このニーズが強いようなら、他の金融機関も参入してくるかもしれない。そうなると、競争が働き、条件はさらにこなれてくるかもしれない。

 これは「ハイブリッド型の住宅ローン」と称し、通常返済と期日一括返済を組み合わせた新たなローンスタイルとなる。ターゲット層は住み替え前提でマンションを購入する人で、売却時に全額ローン元本を返済してもらうことを前提にしている。売却するまでの一時的な借り入れならば、資産価値の高い物件は残価を設定してその分は元本を返済しなくていいという仕組みになっている。

 トヨタのアルファードが人気車種ゆえに、残価設定クレジット(以降、残クレ)で購入すると、月返済額が軽減される仕組みがあるが、今回はそれと似ている。それだけ、マンションの資産価値は車同様にリセールバリューが予想できるようになったということだ。

 ただし、車両の場合は条件つきで将来の残価が保証されているが、住宅ローンのケースは将来の売却価格を保証するものではなく、リセールバリューを借り手自身もより慎重に見極める必要がある点で注意が必要だ。

 その残価設定額は、担保価値の半額とされている。担保評価額の50%にあたる金額が期日一括返済部分となり、毎月元本返済する対象は残りの半額分になる。金利は元本全額にかかるので、返済はおおよそ1/4ほど軽減される。1億円の借入を35年返済なら、月28万9000円の返済が21万5000円になるので7万4000円下がる。

毎月の返済は減るけれど…
「利息400万増」のカラクリ

こうなると、年収に対する月返済額の返済比率が下がるので、限界の返済比率まで購入価格を上げることが計算上可能になる。そうなると、通常ローンより約34%高い物件が買える計算になる。