購入価格が上がると資産性の高い物件を買えるようになる。都心寄りで駅近にある物件やタワーや大規模物件も買いやすくなる。このことは、銀行側も熟知していて、残価設定ローンの取扱エリアは東京23区、横浜市、川崎市、大阪市に限定されている。つまり、値下がりしにくい資産性がある場所ということになる。

 都区部のマンション価格の平均下落率は1.2%で、横浜市は2.2%となる。これに対して、このローンの元本返済は年1.2%ほどしか減らない。つまり、実際は都区部の中でも相対的に資産性があるところでしか使えず、横浜市では横浜駅からみなとみらい線沿線などの一部のエリアしか使えないと思われる。川崎市なら、武蔵小杉や川崎駅など一部に限定されるだろう。

 なぜなら、上記のエリア別の下落率は相場変動が無い場合の数字であり、相場価格が下がると上記以上に売却価格が下がることになる。そうなると、売却しても残債を全額返済できない可能性が出てくる。こう考えると、OKエリアは意外と狭く、NGエリアは広域に存在すると想定される。

 また、対象物件は担保評価額1億円以上の新築・中古マンションとされているので、投資用のワンルームなどは対象外になる。1億円以上となると、立地としてはかなりいいところになる。

 このため、対象者も年収1000万円以上の人に限定されている。信用が高くないと使えないので、上場企業の会社員などは絶好のターゲットになるだろう。

 とはいえ、残価設定ローンはマンションの資産性に着目し、高額になったマンションの購入者にはありがたい商品であることは間違いない。特に資産性に着目して資産インフレの波に乗りたい人にとっては格好の住宅ローンになるだろう。この住宅ローンに通る物件は資産性があると銀行も認識しているということになる。

 しかし、この住宅ローンはいいことばかりではない。金利上乗せ型となっており、通常のローンより0.35%金利が高い。通常金利が1.15%なら、1.5%となる。金利が高く、元本の返済が進まない分、金利総額が高くなる。では、この金利で実際のローン返済の試算をしてみて、どの程度の負担となるか見てみよう

 この残価設定ローンで1億円を借入したとしよう。