ブローカーは高額な報酬を得ており、クライアントである患者が日本で安く治療できるためには全力で事にあたる。
なぜ報酬が高額になるか、なぜ全力になるのかは後述するが、たいていの医療機関は太刀打ちできない。
医師の診断書が
制度の抜け道になる
差し出された書類に言われるがままに必要事項を記載し、病院や医師個人の判子を押せば立派な公文書のできあがりだ。
これは法務大臣宛の書類で、ただの診断書ではない。出入国在留管理庁の職員も困惑するだろう。本来の趣旨とかけ離れているし、絶対に出国できるであろう人間が目の前にいたとしても、提出された書類に不備はない。
治療のため90日以上の滞在が必要とも明記してある。いぶかりながらも中長期ビザを発給するのである。
出入国在留管理庁も苦心しながら色々な対策をしている。とはいえ出入国在留管理庁のスタッフも人の子、医者に「人道的対処」と言われればそれを跳ね返すのは難しい。
勉強すべきは医者の方であり、お人好しを利用されているばかりか、悪質なビジネスの手助けをしているということは理解した方がいい。
お人好しなのは医者ばかりか医療機関もだ。こうした患者は滞在が90日までの「親族訪問」のビザなどではなく、観光目的の短期ビザであることがほとんどだ。
中国なら15日か30日以内に出国しなければならない。それより前に書類提出をし、出入国在留管理庁の裁定を受けなければならないから訪日直後に来院する。
診察後すぐに申請すれば間に合うからだ。そのために急いでいるだけだというのに、病院側も急かすブローカーに同調し、治療が名目だが本当は在留資格を得るための書類の作成を医師に急がせたりする。真の目的が理解できていない。
医療従事者、特に医者はよく考えてほしい、これは国益を失わせる行動なのだと。
冷静に考えれば、本当に治療が必要ならこうした患者は一旦帰国させ、あらためて正規の医療滞在ビザを取得させ、再来日させればよいのだ。







