ポイントは「3カ月以上の治療期間」だ。しかもこれを依頼しているのが日本に住んでいる患者や家族ならともかく、「自称家族」すなわち「ブローカー」(※「国際医療コーディネーター」の一部の無許可・非正規の悪質な業者。本書に詳しい)だということだ。
ここで行われているのは、医療ツーリズムの患者を日本の在住患者に変身させるビジネスである。
たいていの医療機関は
太刀打ちできない
中国語の「家族」はいわゆる一族郎党のこと、赤の他人と言っていいが、中国人に限らず、日本に馴染み、日本語もでき、健康保険制度に精通しているブローカーは、家族と言い張れば患者の代理人として振る舞えると思って必要書類を手際よく準備する。
その道のプロだ。実際、言うことを聞いてしまう医療機関は多いだろう。
ここで発給されるビザが「医療滞在ビザ(特定活動)」というものだ。医療ツーリズムで発給される「医療滞在ビザ」とどう違うのか私にもわからない。
ビザの本来の目的は、日本で旅行中に重い病気や怪我になり、人工呼吸器などの治療チューブにつながれているとか、ICUに入っているとか、医療上、出国できない患者の日本滞在の延長を許可するものだ。
だから重篤でもない、来日する前からわかっている病気には本来は発給などしない。いずれにせよ日本の健康保険には入れないビザである。
ところが、これを自治体など健康保険の加入窓口では他の特定活動ビザと混同し、健康保険に加入させてしまうことがあるのだ。
例えばワーキングホリデーやインターンシップなどの「特定活動」で日本滞在が長期に及ぶ場合は、健康保険に加入しなければならないからだ。ブローカーが差し出す在留カードにも健康保険に入れないとの但し書きはない。
ブローカーは、その窓口の混乱をよく知っている。どこでなら「特定活動」の在留カードを差し出せば健康保険に入れるかもわかっている。
出入国在留管理庁も医者が書類を書けばビザを発行してしまう。







