ブローカーが高額な報酬を
得られる仕組み
お互い様の精神が保険の本質だと私は思うが、みんなでお金を出し合って困った人を助ける原理に基づいて、健康保険料と国費で賄われている。
日本では例えば1000万円の治療費がかかっても、健康保険に入っていれば支払額は300万円ですむ。先ほどの「高額療養費」制度を用いればたった3万5400円の支払いですむ(前年低所得者、住民税が非課税の場合)。なんとその差は996万4600円。こんな素晴らしい国はないだろう。
ところがそれが狙われる理由になりうるのだ。
治療に1000万円かかると見込まれる、日本在住でない患者がいたとする。この患者を日本の健康保険に加入させようと考えた者がいたらどうなるか?
『外国人患者:医療ツーリズムと日本の現実』(山田秀臣、新潮社)
患者には治療費として1000万円かかると言って請求し、保険診療なら支払いは300万円で済むし、「高額療養費」制度が使えれば支払いはわずか4万円弱ですむ。健康保険に入ったばかりの外国人に前年、住民税の支払いはない。当然、支払額も最低になる。
残りの996万円が懐に入るのである。これがつまり、ブローカーの「ビジネス」である。
患者を日本の健康保険に入らせるために必死にもなるというものだろう。まして法律違反ではないのだ。フリーライダーが法の隙間をついて制度を賢く利用しているだけだ。
そして付け加えれば、ブローカーに国籍は関係ない。誰もが手を出そうと思えば出せる、そう「ビジネス」なのだ。







