外国人が病気の親を呼び寄せて…日本の保険へのタダ乗りは許される?医師が懸念する「制度の抜け穴」日本の保険へのタダ乗りは許される?医師が懸念する「制度の抜け穴」とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

外国人材の受け入れが進むなか、医療や介護の現場では、ある問題が見え始めている。本人だけでなく、その家族が日本の社会保障の対象になり得るとき、どこまでを公平な利用と見るべきなのか。外国人患者診療に携わる医師が、現場で生じている違和感を明かす。※本稿は、東京大学医学部附属病院国際診療部副部長の山田秀臣『外国人患者:医療ツーリズムと日本の現実』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

医療ツーリズムの患者でも
日本に住む子や親戚を頼ることは多いが...

ある病院のナースステーションで

看護師A「Xさんの手術、上手く行ってよかったね。ただ、いくら高齢のお母さんが海外の病院で1人きりで心配って言っても、家族には面会時間は守ってもらうようにしないとね。まあ、患者さんもとまどっているだろうし、サポートは必要だけど」

看護師B「日本語でのコミュニケーションは難しいみたいだけどね。確かお孫さんの世話で日本に来たって。がんが見つかったけど手術できてよかったよね」

看護師A「え? 先生の話だと母国で病気が見つかって、息子さんが日本の企業に就職して呼び寄せたんだって」

看護師B「そうなんだ。息子さんも親孝行だね。日本で治療できるなら安心だよね」

 なぜこの会話のようなことができるのか。

 例えば一般的な医療ツーリズムの患者でも日本に住んでいる子供や親戚を頼るケースは多い。在住者の親や親戚が「親族訪問」という90日以内の短期滞在ビザで日本にやってくるのである。

 ただし、このビザでは日本の健康保険には入れない。