たとえば、ADHDと診断された同僚は、現在、薬を服用しながら生活を送っていますが、それでも、必要なものを忘れたり、仕事中に注意があちこちに向いてしまい話が伝わらなかったりすることもあります。
しかし、そうした行動を目にしても、同僚である私が特別苛立ちや不快感を抱くことはありません。なぜそうなのかを考えたとき、そこには「原因帰属理論」という心理学が関係していることに気がつきました。「原因帰属理論」とは、人が他者の行動の原因をどう理解し、どこに責任を求めるか(内的か外的か、統制可能か、不可能か)を説明する理論です。
難しいので、友人が約束の時間に遅れてきた場合を例にして考えてみましょう。
発達障害のある人への
理解に通じる原因帰属理論
もし遅れた理由が「他の人と遊んでいて、そっちが楽しかったからわざと遅れてきた」というものであれば、多くの人は怒りを感じるでしょう。これは、本人による原因つまり「内的」で、かつ遅れずに来られたのにもかかわらず遅れてきた、「統制可能」な原因だったと判断されるためです。つまり、「できるのに、わざとしなかった」と思えるとき、人は相手を責める傾向が強くなります。
一方で、その友人が「乗っていた電車で人身事故が発生し電車が止まり外にも出られなかった」という理由を伝えてきた場合は、あなたは怒りを感じませんよね?同情や共感が生まれやすくなります。これは、友人本人が原因ではない「外的」な原因によるもので、自分でどうしようもない「統制不可能」な状況であったと受け取られるからです。
しかし、友人が約束の時間に遅れてきたのが「交通規制があった」場合はどうでしょうか。
もしその規制が前日からわかっていたのであれば、「それを加味してさらに早く家を出れば間に合ったのでは?」とあなたは思い、もしかしたら責めたくなるかもしれません。友人が「これは仕方なかった」と説明していても、あなたが「自分でコントロールできたのでは?」と判断した場合、そこに「原因帰属の不一致」が生じ、イライラや不信感のもとになります。







