「10年以内に人類初の月面着陸を成功させる」というのは、宇宙船が月面に降りる様がまさに目に浮かぶようなビジョンです。

 しかも、そのイメージを明確に言語化して期限まで切っています。

「理想の状態」の可視化とは、どういうことか、お手本のような事例です。

 上司がイメージしているのと同じ理想の状態を部下が認識できなくては、何をしていいかがわかりません。何をしていいかわからない部下は、逐一指示を求め、問い合わせをしてくるに決まっています。

 ミッション・コマンドを可能にするには、まずは理想の状態を可視化することです。

部下にどこまで任せるか?
成功を左右する7つのパラメータ

「従来型の指揮命令」と「委任型指揮」とは、相反するものではありますが、両者の違いは、さまざまなパラメータの調整によって現れる、連続的なものでもあります。

 これについては、図解するのがわかりやすいでしょう。

 従来の指揮命令型の指揮、ミッション・コマンドのような委任型の指揮との違いは、「リスク」「緊急性」「重要性」「猶予時間」「部下の能力」「必要な情報」「部下のやる気」 という7つのパラメータの変化によって、図のように表すことができます。

 委任レベルのコントロールとは、これらの7つのパラメータに合わせて、どの程度委ねていいのかを調整する、ということです。

 わかりやすい例を挙げると、部下の能力が高く、かつやる気が大きい場合には、当然、仕事を安心して委ねられます。これらの要素がある場合、委任のレベルを上げることができます。