39人のチェスプレイヤーを対象に行われたドイツの研究では、200mgのカフェインを飲んだプレイヤーは一様に集中力が上がり、プラセボ群より勝率が6~8%もアップしました(注3)。
この改善レベルを現実の試合に当てはめると、チェスの世界ランクが5000位から3000位に上がるのに匹敵します。ほんの数%の違いでも、現実的なリターンは計り知れません。
量とタイミングと
組み合わせがカギになる
もっとも、カフェインは脳への作用が強いだけに、取り扱いには注意が必要になります。あまりに身近な物質のせいで油断しがちですが、使い方を間違えれば効果が半減してしまいますし、逆に副作用に見舞われるケースも少なくありません。
カフェインを使うときは、以下のポイントに注意してください。
(1)一度に缶コーヒー2本(カフェイン400mg)以上を飲まない
大半の研究では、カフェインのメリットは300mgを超えたあたりから薄れ、400mg以上で副作用が出ています。具体的には不安感や焦燥感の増加、頭痛、短期記憶の低下などです。カフェインの感受性は個人差も大きいので一般化は難しいものの、1回で2本以上の缶コーヒーを飲むのは推奨できません。
(2)コーヒーにはミルクかクリームを入れる
生まれつきカフェインに弱く、少しのコーヒーでもドキドキしてしまう……。そんな人は、コーヒーにミルクやクリームを入れるのも手です。脂肪分にはカフェインの吸収を穏やかにする働きがあり、マイルドに脳を覚醒させてくれます(注4)。脂肪分と一緒に飲めばなんでもいいので、ほかにもヨーグルトやチーズを合わせてもいいでしょう。
(3)起床から90分はコーヒーを飲まない
起き抜けにコーヒーで目を覚ます人は多いでしょうが、これは集中力アップの視点からすれば良くない行為です。というのも、人間の体は午前6時ごろからコルチゾールという覚醒系のホルモンが分泌され、少しずつ目が覚めるようにできています。いわば天然の目覚まし装置です。
(注4)David E. Kalist and Daniel Y. Lee (2009) First Names and Crime: Does Unpopularity Spell Trouble?







