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大事なプレゼンや転職の決断など、怖れを感じる場面は誰にでも訪れる。そんなときは、恐怖心をなくそうとするより、力に変えなくてはならない。失敗したら死ぬかもしれない北極での単独泳を成功させたルイス・ゴードン・ピューは、己の心とどう向き合いパフォーマンスを最大化したのか?※本稿は、パフォーマンスコーチのジム・マーフィー著、鶴見紀子訳『世界のハイパフォーマーが学んだ「最高の自分」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
北極で1キロメートル泳ぐ
ルイス・ゴードン・ピューの挑戦
2007年6月15日、ルイス・ゴードン・ピューはある目的を持って、自分の船室に入っていった。彼が乗っていたのはNSヤマル号、北極圏へ向かっているロシアの原子力砕氷船だった。彼はスピード社のスイミングパンツを身につけ、これから待ち受ける危険のことを考えた。
船を揺らす海は非常に暗く凍てついており、もうすぐ自分はその中で泳ぐのだ。急に彼は恐怖に駆られた。これから氷の浮かぶ海に身をさらし、北極での1キロメートルの単独泳を達成するという世界記録に挑戦しようとしていたのだ。今回の挑戦は3年前に始めた旅の一環だった
――そして半時間後には、彼の人生を変えるほど大きな意味を持つものとなった。
ピューに体温計を装着するために船室に入ってきたのは、南アフリカ共和国のスポーツ科学者で医者でもある、ティム・ノークス教授だった。ホッキョクグマを監視する数名の武装警備員を別とすれば、ピューの泳ぎを中止することができるのはノークスだけだった。







