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東芝の不適切会計問題は、なぜ長期にわたって続いたのか。第三者委員会は、その原因として「企業風土」と「経営トップによる強烈な利益チャレンジ」を挙げた。だが、東芝モバイルディスプレイ社社長、副社長財務担当、取締役監査委員会委員長などを歴任した久保誠氏は、公的な報告書には書かれなかった“もう一つの原因”を指摘する。それは、西田厚聰会長と佐々木則夫社長の深刻な対立だった。取締役会での激しい言い争い、社長交代会見で露呈した確執、そして佐々木氏が自らの実績を誇示するために作らせたという「歴代社長ランキング表」。名誉欲と権力闘争は、いかにして無理な利益目標を生み、東芝を追い詰めていったのか。 ※本稿は、久保 誠『東芝 転落の深層――経営不祥事と裁判』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
不適切会計問題はなぜ起こったか?
バイセルや問題とされた工事進行基準案件等のいわゆる「不適切会計問題」はなぜ起こったのだろう? 第三者委員会報告書は、原因として東芝の企業風土と経営トップによる強烈な利益チャレンジがあったからと記載している。
バイセルで考えると、その始まりは2008年9月であり、2014年12月まで続いている。そこまで長く続いた最大の理由は、西田厚聰氏と佐々木則夫氏のいがみ合いである。西田氏の異常な名誉欲と佐々木氏とのいがみ合い(=西田氏に引き立てられて社長に就任できたにもかかわらず西田氏を乗り越えようとして壮絶な争いとなった)が、常識では考えられないような厳しいチャレンジとなりカンパニー社長を苦しめたと考えている。
しかし、第三者委員会報告書には西田氏と佐々木氏のいがみ合いについては一切触れられていない。2013年2月の田中久雄氏の社長就任発表の記者会見の席上で、大勢の記者たちやテレビカメラの前で二人が言い合いを始めたにもかかわらず。
例えば私の場合、何があったか紹介しよう。







