さらに、寝室の環境づくりも大切です。寝る1~2時間前からは部屋の明かりを少し落とし、薄暗い環境で過ごしましょう。強い光、特にスマートフォンなどのブルーライトは、脳を「戦闘モード」に引き戻してしまいます。

 もし日中に眠気を感じるようなら、無理をせず短時間の昼寝(パワーナップ)を取り入れてみてください。短時間の昼寝は脳をリフレッシュさせ、心臓の負担を軽減する効果があります。ただし、寝すぎてしまうと夜の睡眠の質に悪い影響が出てしまうため、15~20分程度にとどめましょう。

睡眠時間は長すぎても
心臓によくない

 睡眠不足が心臓の健康によくないのはもちろんですが、睡眠時間が「長すぎる」こともまた、心臓病のリスクを高めることが近年の研究でわかってきました。何事も「過ぎたるはなおおよばざるがごとし」なのです。

 日本人の1日の平均睡眠時間は約7時間というデータがあり、世界的に見ても短いとされていますが、これを補おうとして「休日に寝だめをする」という習慣はおすすめできません。なぜなら、睡眠時間が長くなればなるほど、日中の活動時間が削られてしまうからです。

 日中の活動量が減ると、当然ながら全身の筋肉や関節の機能が低下します。何度かお伝えしてきたように、筋肉が衰えると筋ポンプ作用が低下し、結果として心臓にかかる負担が増大するのです。

 また、長時間眠り続ける生活は、肥満や糖尿病などの代謝異常を招きやすく、それが間接的に心臓病の再発や悪化のリスクを押し上げてしまうのです。つまり、体の「休めすぎ」は、心臓をかえって弱らせてしまう原因になります。

 さらに、日によって睡眠時間がバラバラになると、体内時計が乱れます。太陽の光を浴びる時間帯がずれると、自律神経の切り替えがスムーズにいかなくなり、心臓が本来リラックスすべき時間帯に興奮状態が続くといった「リズムのズレ」が生じます。このズレこそが、心臓にとって目に見えない大きなストレスとなるのです。