ヨーグルト、納豆、味噌、漬物――腸によいとされる発酵食品を取り入れている人は多いだろう。しかし、その効果がどのような仕組みで働いているかを知ると、食べ方の選択肢が変わってくるかもしれない。

【医師が教える】「健康のために発酵食品を食べている人」が注意すべきことPhoto: Adobe Stock

発酵食品が注目される理由は「腸内環境」にある

発酵食品は長い歴史を持つが、近年あらためて注目を集めている。
その焦点は、おいしさや栄養価、保存性だけにとどまらず、
腸内環境を改善する働きにあるとされている。
腸の状態が健康全般に影響を与えるという考え方が広まるにつれて、
発酵食品への関心はさらに高まっている。

しかし、発酵食品の中に含まれる菌が腸内でどのように働くのかについては、
意外と知られていないことも多い。
「腸に菌が届く」という表現から、菌が腸に住み着くようなイメージを持つ人もいるかもしれないが、
実際の仕組みは少し異なる。

発酵食品の菌は腸に定住せず、通過しながら働く

発酵食品は長い歴史を持っていますが、現在、ブームと言えるほど発酵食品があらためて注目を集めています。
その焦点は、おいしさや栄養や保存性だけでなく、発酵食品が持つ腸内環境改善作用にあるようです。
発酵食品中の菌は、普通は腸には定住せず、通過するだけです。
腸内にとどまるのは通常は3日、長くても約2週間までです。しかし通過している間に悪玉菌の発育を阻止したり、善玉菌の発育を促したり、有用成分を作り出したりと、それなりに作用します。
これが腸内環境改善作用です。
発酵食品中の菌の供給が途絶えると、そのうち腸内環境は元に戻るので、発酵食品はできれば毎日、少なくとも1週間に1回は食べるのが腸のためにはよいということになります。

発酵食品に含まれる菌は、通常、腸に定住することはなく、通過していくだけだという。
腸内にとどまる期間は通常3日程度、長くても約2週間とされている。
しかし、その通過の過程で、悪玉菌の発育を抑えたり、
善玉菌の増殖を助けたり、有用な成分をつくり出したりと、
腸内環境に対して一定の働きかけをしている。
これが「腸内環境改善作用」として注目されているものの正体だ。

つまり、発酵食品の菌は腸に永続的に定着するわけではなく、
通過する間に働き、やがて排出されていく。
菌の供給が途絶えると、腸内環境はもとの状態に戻っていくことになる。

続けて食べることに意味がある理由

こうした仕組みを踏まえると、発酵食品は一度食べれば効果が長続きするものではなく、
継続的に摂り続けることに意味があるということがわかる。
できれば毎日、少なくとも週に1回程度は食べることが、
腸の状態を整えるうえで望ましいとされている。

ヨーグルトや納豆、味噌汁、ぬか漬けなど、
日常の食事に取り入れやすい発酵食品は多い。
特定のものにこだわる必要はなく、
自分の食生活に合った形で、無理なく続けられるものを選ぶことが大切だ。
体の状態や疾患によっては、発酵食品の摂取に注意が必要な場合もあるため、
気になることがあればかかりつけ医に相談してほしい。

今日から試すなら、朝食や夕食に発酵食品を一品加えることを、まず1週間続けてみることだけでいい。

(本記事は、書籍医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)