彼は身長5フィート3インチ(約160センチメートル)の身体でその奇跡を成し遂げた。マグジーには才能があり、垂直に44インチ(約112センチメートル)もジャンプできた。しかし、彼が他の人たちと違っていたのは、才能よりも心のあり方だった。

 子供の頃、彼は自分が5歳で銃に撃たれたことを打ち消すような夢をずっと抱き続けた。夢のようなストーリーを育んで形にするために、日々想像力を働かせなくてはならなかった。そして、到底ありえないようなことだったが、そのストーリーは彼が思い描いた通りに実現した。

身長160センチでも
NBAの夢を諦めない

 誰にでもストーリーがある。あなたは自分のストーリーの作者であり、語り手でもある。

 人生のどの瞬間に、どれほど大きな意味があるのかを自分で選び、決めている。一瞬一瞬すべてが、自分のストーリーがどこへ向かうのかを決める機会となる。思考が生み出すものは全部ストーリーの中に組み込まれる。つまり自分の考えとその方向性により人生という旅路が決まる。頭の中で思い描いたイメージと、そのイメージにどういう意味を持たせるかが、ストーリーを構成するからだ。

 かつての自分が想像していた、後は実行するだけの素晴らしいストーリーや、想像の世界で今も息づくストーリー、挫折や理屈や正当化で色褪せたりしないようなストーリーを、人はあまりに簡単に忘れてしまう。

 マグジーの例で言えば、スラム地区出身で身長約160センチの少年がNBAの選手になれるというのは、一笑に付されるような考えだ。しかし想像の世界ではあらゆる可能性があり、マグジーは将来の夢を描いて実現した。彼にできるのなら、あなたにもできる。

 覚えておいてほしい。私たちが日々生きているのは実際の世界ではなく、自分の頭の中で作り出した世界だ。私たちは世界をありのままにとらえるのではなく、自分の好きなように眺めている。自分の記憶と信念が組み合わさったものを見ており、ずっと自分自身に語り聞かせてきたストーリーを人生でたどりながら生きている。つまりストーリーが鍵を握っている。