そして、1995年のThink Weekの期間、若手社員が提出したインターネットに関するメモを読んだゲイツ氏は、休暇を終えて小屋を出た直後、全社員にこうメッセージを送ったそうです。「インターネットは、最も重要な技術革新になる」と。
それがマイクロソフト社の未来を決定づけました。
こうした例からも分かるように、質の高い休みは、成果や発想を生む土台になるということです。
ドイツ人は散歩で
心と頭を整えている
だからこそ、ドイツ人が散歩をこよなく愛しているのも、とても理にかなっています。ドイツは森が多く自然環境に恵まれていますが、それだけが理由ではありません。仕事の合間や気分転換の時間に、ライン川そばのベンチで風に当たったり、森のなかを歩いたりと、自然に身を置いて“休むための時間”を積極的につくっているのです。
森があるから散歩をするのではなく、休むという目的をもって自然に触れ、心と頭を整えている――。そんな感覚が強く根づいているように思います。
私自身も、留学事業を運営するなかで、休暇中にこそ思わぬ出会いや発見があり、仕事につながった経験は少なくありません。
『日本の3倍休んで1.5倍の成果を出す ドイツ人のすごい休日』(松居温子 SBクリエイティブ)
留学事業では、日本の留学生がドイツの地元企業に就職できるようにサポートをしているのですが、たまたまマヨルカでの休暇中に出会った建築家夫婦とのご縁を通じて、留学生の就職につながったことがあります。そして、こうした経験は一度や二度ではありません。
忙しいから休めないな、あれもこれもやらなきゃな、と思っていたのに、つい誘われて思い切って出かけた先で、抱えていた課題が解消してしまうといったケースは何度も経験したことがあります。
私たちはつい動き続けることを「努力」と感じてしまいますが、本当に成果を生み出すきっかけは、パソコンに向かって、働き続けることではありません。
手を止め、頭と心をいったん解放した時間にこそ、意外な発見や気づきが得られるのです。







