「社内のエース」が転職市場で不採用になる
“自社最適化”という名の見えない罠

 なぜ、現職で高く評価されている20代が、他社の選考で苦戦してしまうのでしょうか。その最大の要因は、「自社最適化の罠」にあります。

 1つの会社に数年間在籍していると、その会社特有の社内用語、独自の業務フロー、特定のキーマンに依存した調整技術などが自然と洗練されていきます。これは現職で打率高く成果を上げるためには極めて有効なスキルですが、一歩外に出ると全く通用しない「ローカルルール」である可能性があります。

 例えば、営業職の人が職務経歴書に「社内のコミュニケーションツールを活用し、関係各部への迅速な承認ルートを確保することで納期を短縮し、成果を上げ、社内表彰を受賞した」と記載したとします。

 社内事情を知る人間から見れば、これは「調整力が高く、スピード感を持って仕事を動かせる優秀な人材」です。

転職ホントのところ写真はイメージです Photo:PIXTA

 しかし、他社の人事から見れば、この文章は「その会社のシステム操作に慣れていて、社内の人間関係が良かっただけではないか」と映ってしまいます。システムや人間関係がリセットされた新天地でも、同じ成果を出せるかどうかの確証(=再現性)が持てないからです。

 また、大企業やブランド力のある企業に属している若手の方に多いのが、「会社の看板」で仕事が回っていたことに無自覚なケースです。

 強力な商品や競合が容易に参入できないビジネスモデルの上で出してきた成果を、「全て自分の実力」として語ってしまうと、面接官からは「自社の強みと個人のスキルの切り分けができていない」と判断され、ポテンシャルを疑問視されることが多いです。