「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。
「上司の顔色ばかり気にする人を劇的に変えるすごい法則」とは? ライター照宮氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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公務員時代の出来事
公務員時代、決裁書類をつくるとき、内容より先に考えていたのは「誰がどこで止めるか」だった。
この上司はここを気にする、この人に言っておけば間違いない。
そういう段取りを考えることに、書類を作成する以上の労力をかけていた気がする。
そのために、決裁者の機嫌を読み、関係者への根回しを欠かさなかった。
仕事熱心というより、ただ早く通してさっさと帰りたかっただけだった。
「地頭モード」と「知頭モード」の決定的な差とは?
ゼロから東証プライム上場企業をつくった木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
――『地頭スイッチ』より
本書でいう「モゲジョの法則」とは、目的・現状・条件の頭文字だ。
「地頭(じあたま)モード」で動く人は、仕事に着手する前にこの「3つ」を自分の目で確認し、そこから最適な手段を考える。
一方、「知頭(ちあたま)モード」のまま動く人は、モゲジョではなく「上司がどう見るか」を起点に仕事を組み立ててしまう。
公務員時代の私は、まさにこの状態だった。
決裁が通るたびに手ごたえを感じていたが、あれは仕事がうまくいったのではなく、根回しがうまくいっただけ。この本を読んで初めてわかった気がした。
仕事への向き合い方が根本から変わる
あの頃、根回しに使っていたエネルギーを、仕事の中身にすべて向けていたら何かが違っていたかもしれない。上司のOKが出ることと、仕事がうまくいくことは別の話だ。
本書はその境界線を、「モゲジョの法則」という極めて印象的な軸でくっきり引き直してくれるだろう。








