
多くの企業がパーパスを掲げる一方、それが日々の意思決定や組織運営にまで根付いている例は多くない。では、パーパスはどうすれば機能するのか。B Corp Asia Summit 2026で見えたのは、その鍵が「自社らしさ」ではなく、社員、株主、顧客、社会との「相互依存」にあるということだった。同サミットに日本から登壇した4社の実践を手掛かりに考える。
パーパスを掲げるだけで満足していないか
この数年、日本企業の間で「パーパス策定」が一種のブームになりました。各社が競うようにコンサルタントを入れ、経営理念を見直し、美しい言葉を練り上げ、ウェブサイトの目立つ場所に掲げる。さらに、社員への浸透施策にも取り組んできました。理念を言語化することには、大きな意義があります。しかし、問題はその先です。
手間もお金もかけて策定したにもかかわらず、「日々の意思決定に役立っている」「社員一人一人が自分の言葉で語れる」と胸を張って言える企業は、決して多くありません。理念的な言葉というのは、「額縁」に入れられた瞬間に死んでいく。パーパスを掲げる企業が増えたからこそ、その形骸化が、新たな悩みとして広がっているのです。
では、どうすればパーパスが機能するのでしょうか。
この問いを考えるうえで大きな示唆をくれたのが、2026年6月22日〜23日、マレーシアの首都・クアラルンプールで開催されたB Corp Asia Summit 2026でした。
B Corp(以下、Bコープ)とは、米国発の非営利団体B Labが運営する国際認証制度で、環境と社会へのインパクトを企業活動に組み込み、株主だけでなく、社員、地域社会、取引先、環境といった多様なステークホルダーに責任を果たす企業に与えられるものです。私が代表を務めるasobotも、25年に認証を取得しています。
26年は、B Lab設立20周年という節目の年。認証企業は世界で1万社を超え、アジアでも約400社まで広がりました。日本の認証企業は26年7月に100社に到達し、アジア全体のおよそ4分の1を占めます。







