2026年6月29日、米ワシントンのホワイトハウスで、大統領令に署名した後、演説するドナルド・トランプ米大統領 Photo:EPA=JIJI
米イラン合意では
イランの体制は維持
池上 米国とイランは6月17日に戦闘終結に向けた14項目の「覚書」に署名しました。しかし、その後も60日間の協議が続く中で、凍結資産の解除やホルムズ海峡の通航などを巡る調整は続いています(編集部注:本稿執筆時点)。
増田 合意には「互いの内政に干渉しない」「イランに対する制裁の解除」「イラン復興のための資金として3000億ドル(約48兆円)を提供」などの条件が盛り込まれました。「内政に干渉しない」とは、米国はイランの体制転換を要求しないということですね。
池上 はい。戦闘開始時にはイスラエルも米国の共和党の一部も、イランの体制転換を望んでいました。トランプ米大統領も「イランに無条件降伏を突き付ける」と繰り返し言ってきましたが、ふたを開けてみればイランは体制を維持し、復興資金まで得ることになります。
さすがにこれでは「米国の大勝利」とはいえないでしょう。むしろイランこそ「してやったり」。この結果に万々歳なのではないでしょうか。
増田 米国ではMAGA派の中でもトランプ政権への批判が強まっています。復興資金は誰が負担するのでしょうか。
池上 覚書では「地域のパートナーと連携」とあり、まだ具体的には決まっていません。覚書への署名後も続く60日間の協議の中で話し合われていくことになりますが、湾岸アラブ諸国や米国、アジア、南米、アフリカなどに拠点を置く企業が参加する基金の設立が検討されていると報じられています。アジアでは日本や韓国、シンガポール、マレーシアの企業も含まれるようです。







