スリーマイル島原発も
再稼働に向けて動き出した
AIによる電力の「爆食い」は、原発をも動かし始めた。南北戦争の激戦地ゲティスバーグからほど近い、米東部ペンシルベニア州都のハリスバーグ。サスケハナ川沿いに車を10分ほど東に走らせると、原発の2本の冷却塔が見えてくる。1979年、2号機で炉心が一部溶融する事故を起こしたスリーマイル島原発だ。
2019年には1号機も運転を終え、2号機は廃炉が検討されていた。そこから一転、1号機の再稼働に向けた動きが進む。
原発を所有する電力会社コンステレーションは24年9月、マイクロソフト(MS)に20年間にわたり電力を売る契約を結んだ。
ジョー・ドミンゲス最高経営責任者(CEO)は「我が国の技術的競争力に不可欠な産業には、二酸化炭素を排出しない豊富なエネルギーが必要になる。原発はその約束を果たせる唯一の電源だ」と強調。環境評価や原子力規制委員会の承認、州といった関係当局の許可を得たうえで、早ければ27年の1号機再稼働をめざす。
米国で起きた原発事故の象徴ともなったスリーマイル島原発の再稼働。その転換点となったのが、未曽有のAIブームだった。
地元選出で原発推進派のトム・メハフィー州議会議員(共和党)によると、コンステレーションから州側に再稼働の話があったのは23年春ごろ。総費用は「20億~40億ドル」と見込まれ、政府からの貸し付けに加え、MSなどの民間企業の拠出でまかなうという。
コンステレーションは、州内の調査で約6割がスリーマイル島原発の再稼働を支持したと説明する。メハフィー氏は「最大の理由は雇用だ。多くの人が、原発の稼働停止がいかに地元経済に打撃を与えたかがわかっている」という。
電力確保のために
次世代原子炉にも熱視線
一方で、原発反対派の住民は、あまりの環境の変化に驚いていた。
「AIがすべてを変えてしまった」
スリーマイル島原発を眺めながら、地元住民のエリック・エプスタイン氏はため息まじりに言った。







