食事をするときはたいてい、メニューの味について予測はつくでしょう。それが、期待以上においしかったとき、えっ!と元気になることがあります。これを「報酬予測誤差」(RPE:Reward Prediction Error)といいます。「予測と現実のズレ」を脳が感知するしくみであり、そのズレ(誤差)を伝達する物質がドパミンです。
「やめられない、とまらない」は
ドパミンのせいだった
ズレが大きいほど、ドパミンの分泌量は増大します。報酬予測誤差が大きく働き、「次も同じものを食べたい」「もっとサプライズがほしい」という強い動機が生まれ、そのズレが「行動を変え、くり返す」ように学習します。
そして予測以上においしかった、という報酬が大きければ大きいほど、それを食べるという行動の頻度は急増します。
逆に、期待していたのにおいしくなかった場合は、次はそのメニューを選ばないように学習します。
また、甘いお菓子やスナック類を食べ続けてしまう行動にも、脳の報酬系が影響しています。
いまは三分の一だけ食べようと思って袋を開けたにもかかわらず、食べ始めると、菓子の甘さ、風味、パリパリ食感や溶けるような舌触りなどが複合的に脳を刺激し、ドパミンが分泌されて快感を覚えます。
すると、脳が「もっと食べるぞ」という指令を出し、食べ続けるという行動を起こします。
もっとも、スナック菓子などの販売メーカーはそれを見込んで、ひと口食べたときの味覚、食感の余韻が残るように製造しているのでしょう。その点も踏まえておきましょう。
食欲をコントロールするには、こうした脳の働きを知ることがポイントとなります。
食べすぎてしまいそうなとき、「GLP-1やGIP、インスリンがいま働いている!」ということや、「脳でドパミンが、報酬系が働いている!」などと意識してください(編集部注/GLP-1とGIPは、食事をすると腸から分泌されるホルモン。インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンの一種で、血液中のブドウ糖〔血糖〕を細胞に取り込ませてエネルギーとして消費・貯蔵し、血糖値を下げる唯一の働きを担っている)。







