心の健康を保ちながら前に進み続けられる人は、状況に応じて目標を書き換える「しなやかな戦略」を持っています。その中核となる3つのステップを見ていきましょう。
しなやかな戦略ステップ(1)
目標の「サイズ」を変える
目標のハードルをその時の体力や環境に合わせて調整する。たとえば、「全教科90点以上」という目標が苦しくなったとき、「もう無理だ、全部やめた」とすべてをあきらめるのではなく、「今回は得意な数学だけ90点を死守しよう」と目標のサイズを小さくすることができます。
これは「逃げ」ではなく、限られたエネルギーを、最も成果が出やすい場所に集中させる「戦略的な再配置」です。
しなやかな戦略ステップ(2)
目標の「やり方」を変える
ゴールはそのままでも、そこへたどり着くルート(手段)を切り替えます。「毎日3時間の自習」がどうしても続かないなら、その勉強方法はいったんやめてみて、「友達と教え合う」「短時間集中型に変える」「別の教材を使う」といった別のルートに切り替えるのです。
これは、先にお話しした「はしごをかけ直す」ステップにあたります。「どうしてもこのやり方じゃなきゃダメだ」という執着を捨てて柔軟にルートを変えることができれば、形はちがっても努力を継続することができるでしょう。
しなやかな戦略ステップ(3)
目標の「中身」を書き換える
『「がんばれない」心で何が起きているか』(外山美樹、筑摩書房)
最も難易度が高いけど、とても強力な調整になります。たとえば「試合に出たい、だけど怪我でレギュラーになれない」という状況になったとき、絶望するのではなく、目標の中身をスライドさせれば、新しい可能性をひらくことができます。
「試合に出る」という結果への執着を手放し、「チームを支える戦術眼を磨く」「裏方としてチームの勝利を支える」といった目標をめざすことで、自分が納得できる目標に切り替えることができるかもしれません。
この3つの調整ができるようになると、最初に目指した道が閉ざされたとしても、あなたの「成長のエンジン」は止まりません。目標はあなたを縛る鎖ではなく、あなたを導く「羅針盤」に変わります。
しなやかな戦略とは、「折れそうなときに戦略を変えて、前に進み続ける知性」のことなのです。







