北陸新幹線Photo:PIXTA

北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪間の延伸ルートについて、自民党と日本維新の会による与党整備委員会は15日、「小浜・京都ルート」のうち、京都市内を桂川駅経由とする「桂川案」で合意した。しかし、京都府市の同意や着工条件のクリアなど課題はなお山積している。米原ルート推進を掲げてきた維新が方針転換した背景と、ルート決定の舞台裏、そして今後の焦点を読み解く。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

「小浜・京都ルート」の
「桂川案」で合意に

 自由民主党、日本維新の会は7月15日に開かれた与党整備委員会の会合で、北陸新幹線の敦賀~新大阪間の延伸ルートについて、現行の「小浜・京都ルート」かつ京都市内の駅をJR京都線桂川駅に設置する「小浜・京都ルート桂川案」とすることで合意した。

 ただし、これで一件落着とは行かない。整備新幹線の着工には沿線自治体の同意が必要だが、京都市は建設費の負担や環境への影響など「五つの懸念・課題」を表明している。整備委員会は「着工5条件が整って初めて正式なルート決定」として、京都府市などとの協議を進めていく構えだ。

 維新は昨年10月の連立政権発足後、整備委員会に参加してルートの再検証を求めてきた。その主張の中心にあったのが、敦賀駅から東海道新幹線米原駅に延伸する「米原ルート」の再考だった。12月以降、整備委員会で小浜・京都ルート、米原ルートを含む8ルートの再検証を進めてきたが、この1カ月で一気に桂川案に収束した印象だ。

 後述のように、維新の地元議員には小浜・京都ルートへの反対、米原ルート推進を掲げる議員が少なくなかった。今回の判断に困惑する向きも見られるが、「方針転換」の背景を考えてみたい。