維新と自民が合意する一方で
はしごを外された地元議員
維新と自民が落としどころを見つけた中、はしごを外されたのは地元議員だ。2024年の前原氏と同様に「小浜・京都ルートを撤回し、現実的かつ合理的な米原ルートへの変更」を訴えてきた彼らにとって、「小浜・京都ルートの再考」とは、南北案か桂川案かという選択を意味していなかった。
そもそも2017年に決定したのは小浜・京都・松井山手を経由地とするところまでで、着工ルートを南北案・東西案・桂川案のいずれに決定するかは次の議論だった。その意味で東西案、南北案の断念は「進展」であって「再考」ではない。松井市長も7月15日、「小浜・京都案という意味では昨夏の参議院選挙前の状況に戻ったとも考えられる」と冷ややかにコメントした。
京都維新の会は7月14日、「北陸新幹線延伸計画に関する統一見解」として、「京都市内の大深度地下を通過する小浜・京都ルート(桂川案)に反対する立場を府民・市民の皆様に示してきました」と表明した。
その上で、「懸念への解決策が示されず、府民・市民の理解と同意も得られず、すなわち京都府市の同意もない状況は、着工5条件が未充足であることにほかなりません。そして、そのような中にあって、京都市内の大深度地下を前提とした計画を進めることは断じて容認できません」と党の決定を批判した。
京都市会は2025年6月、「地下水への影響や、残土処理、文化的建造物への影響」が懸念されるとして、市内の地下をトンネルで通過する北陸新幹線ルート案に反対する決議案を、維新に加え、国民民主党、共産党などの賛成多数で可決している。維新党本部の決定がどうであれ、地域の声を代表する地元議員が反対すれば合意形成は困難だろう。
新実氏は7月15日にX(旧ツイッター)で「『再検討』のプロセスに乗せるには至りましたが、力及ばず、京都市が誘致していない『小浜京都ルート』の一つである『桂川案』で地元同意等を図ることとなりました。自身の力不足ゆえに、思いを託してくださった皆様を裏切ることになりましたことに、心からお詫びを申し上げます」として、今後は地域の負担軽減に向けて尽力すると表明した。
数年にわたり停滞していた議論は動き出すが、着工5条件を満たせなければ前に進まない。福井県、京都府、大阪府、JR西日本はもちろんのこと、足元では維新の国会議員と地方議員レベルの合意形成も必要になる。本当の難所はこれからである。自維連立政権がいつまで続くかは分からないが、今後も維新が整備新幹線に関わるのであれば、国民や支持者に分かりやすい議論を進めるよう求めたい。







