「指示されたことしかやらない」「もっと主体的に動いてほしい」――そんな悩みを抱えるリーダーは少なくない。しかし、その原因は部下のやる気ではなく、上司の伝え方にあることも多い。人は、「何をするか」だけでなく、「なぜそれをするのか」を理解して初めて主体的に動けるからだ。では、部下が自ら考えて行動する職場をつくるには、リーダーはどのように伝えればよいのだろうか。話題の書『リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、そのポイントを解説する。

「部下が言われたことしかやらなくなる」上司の伝え方・ワースト1Photo: Adobe Stock

背景がわからないと、人は動けない

「来月から田中さんが○○部に異動になります」と人事発表があっても、なぜその異動が必要なのかや後任の体制がどうなるかまで説明されることは、意外に少ないものです。

「今期から営業方針を変更します」と発表されても、なぜ変更するのか、どんな効果を期待しているのかがわからない。
背景説明を省いたことで誤解や不満が生まれ、それが大きな問題に広がってしまうケースを現場でも数多く見てきました。

納得して動くか、不満を抱えて動くか

会社の方針に従わなければならない――これは組織で働く以上、避けられないことです。
でも、納得している状態と、不満を抱えたまま従っている状態では、その後の行動が大きく変わってきます。

納得している部下は、指示された以上のことを自発的に行います。
一方、不満を抱えたまま従っている部下は積極性が薄れ、「言われたことだけやればいい」という受け身の姿勢になりがちです。

リーダー自身が情報を取りにいく

では、どうすればいいでしょうか。
重要なのは、リーダーが受動的に情報を待つのではなく、積極的に取りにいく姿勢を持つことです。
上から来た情報をそのまま部下に流すだけでは不十分です。
「これでは部下は納得しないだろう」と感じたら、遠慮なく上に確認を取る。
背景事情を聞き、部下が疑問に思いそうな点を事前に整理しておく。

現代の働く人たちは、以前より格段に情報感度が高くなっています。
「上が決めたから」「会社の方針だから」という説明では、もう十分ではないんです。

何かを部下に伝えるときは、「この説明で納得してもらえるだろうか」と自問してみてください。
その意識の変化が、職場の信頼関係を大きく改善するきっかけになります。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)