「頑張りすぎたくない」のに、つい無理をしてしまう。そんな真面目な方が「ほどほど」で切り上げられないのは、性格のせいではなく、ある明確な「基準」がないからかもしれません。精神医学の知見を交えつつ、自分を守るための具体的なルールを解説します。「きりのいいところ」を目指すのが実はNGな、意外な理由とは?(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
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人はなぜ頑張りすぎてしまうのか?
今日は、人はなぜ頑張りすぎてしまうのか、そして、その「頑張りすぎ」に対してどのように対策すればよいのかというお話をしたいと思います。
世の中には、頑張りすぎてしまう人がたくさんいらっしゃいます。ご本人は「頑張りすぎたくない」と思っていても、これまで自分らしく真面目に取り組んできた結果として、つい無理をしてしまうのです。
そのため、どこで適当に切り上げていいのかがわからず、「自分は頑張りすぎているな」と気づいたとしても、そこから具体的に何をどう変えればいいのか迷ってしまうことが少なくありません。
「メランコリー親和型」に見る頑張りすぎる気質
精神医学の古い言葉で「メランコリー親和型うつ病」というものがあります。これは、几帳面で真面目、そして板挟みになりやすく、色々なことを抱え込んでしまう性格の方がかかりやすいうつ病のことです。自己評価が厳しいため、どうしても「頑張らなきゃいけない」と思い込み、無理を重ねてしまう気質を持っています。
こうした性格は、なかなか簡単に抜けるものではありません。うつ病の治療で回復に向かっている途中に、「少し考え方を修正してみましょうか」とアドバイスをすることがあります。すると、その言葉に対してもノートとペンを取り出し、一字一句書き留めるなど、診察室がまるで「勉強」の場のようになってしまう方がいらっしゃいます。
それこそが「頑張りすぎ」なのですが、こうしたタイプの方は決して珍しくありません。だからこそ、そういう方にとって「頑張りすぎない」というのは、本当に難しいことなのだと感じます。
主観的な「ほどほど」には限界がある
人間の性格は簡単には変わらなくても、「本当は頑張りすぎちゃいけないんだな」と頭の片隅で意識し続けるだけで、少しずつ変化していくものです。今回は、より具体的に「頑張りすぎないための方法」を考えていきましょう。
頑張る時に大切なのは、「何をもって『ほどほど』とするのか」というメジャー(基準)を持つことです。
どこまでやったら頑張りすぎで、どこまでならほどほどか、あるいは少し物足りないかという感覚は、非常に主観的です。明確な「量」の基準がないからこそ、ついやりすぎてしまうのです。



