「一日ぼーっとしていたはずなのに、なぜか疲れが取れない」――その原因は、脳がエネルギーを浪費し続けていることにあるのかもしれない。米国在住の精神科医・久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』には、脳が疲れる仕組みと、それを鎮める「マインドフルネス呼吸法」も書かれている。その一部をご紹介しよう。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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いくら身体を休めても疲れが取れないワケ
休日に家でゴロゴロして、たっぷりと睡眠をとったはずなのに、月曜日の朝から体がだるい。忙しく働いているわけでもないのに、いつも頭が重く、なんとなく疲労感を感じている。そんな現代人ならではの悩みを抱えている人は多いのではないだろうか。いくら身体を休めても疲れが取れないのは、あなたの「脳」が絶えずエネルギーを浪費し続けているからかもしれない。
脳の消費エネルギーの大半を占める「DMN」米国で精神科医として活躍する久賀谷亮氏は、著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』の中で、脳が疲れるメカニズムについて言及している。ポイントはデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)だ。
DMNは、脳の消費エネルギーのなんと60~80%を占めていると言われています。つまり、ぼーっとしていても、このDMNが過剰に働き続ける限り、脳はどんどん疲れていくわけです。「一日ぼーっとしているのに、なぜか疲れが取れない……」という人は、このDMNに過剰な活動を許してしまっているのかもしれません。――『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』p.16
DMNとは、脳が意識的な活動をしていないときに働くベースライン活動のことだ。いわば、自動車のアイドリング状態のようなものである。私たちが「何もせずにぼーっとしている」つもりでも、頭の中では「あのとき、ああしておけばよかった」「明日のプレゼンはうまくいくか」と、過去への後悔や未来への不安が絶えず渦巻いている。このように心が「いまここ」にあらず、さまよっている状態こそが、DMNを過剰に働かせ、脳のエネルギーを激しく浪費してしまうのだ。
「呼吸」に意識を向けて脳を休ませる
では、このDMNの活動を鎮め、脳を深く休ませるにはどうすればよいのだろうか。そこで登場するのが、最先端の脳科学でも実証されている「マインドフルネス」だ。久賀谷氏は、これを「瞑想などを通じた脳の休息法の総称」として説明している。ここでは最も基本的な「マインドフルネス呼吸法」を紹介しよう。まずは椅子に座り、背もたれから背中を離して軽く背筋を伸ばす。コツは「背中はシャッキリ、お腹はゆったり」。目は閉じても、うっすらと開けて斜め前を見てもよい。そして、足の裏が床に触れる感覚やお尻が椅子に触れる感覚など、身体の感覚に意識を向けた後、「呼吸」に注意を向ける。鼻を通る空気の冷たさや、息を吸うとお腹が膨らむ感覚など、呼吸そのものにただ注意を向けるのだ。途中で雑念が浮かんできても、自分を責める必要はない。「あ、いま別のことを考えていたな」と気づき、再びやさしく呼吸に意識を戻せばいい。
疲れにくい脳へ変化する
1日たった5分でも、マインドフルネス呼吸法を毎日続けることで、脳の構造は変化し、疲れにくい脳へと変わっていく。マインドフルネスは脳の「働き具合」だけではなく、「つくり」を変えてしまうというのだからすごい。休日に感じるだるさを解消したいなら、まずは「呼吸に意識を向ける」練習から始めてみてはいかがだろうか。



