「結構です」という言葉は、承諾にも断りにも受け取れる曖昧だ。特に断る場面では冷たい印象を与えかねない。では、感じのいい人は、どのような言い回しをするのか? この記事では、書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏にそのコツを書き下ろしてもらった。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「結構です」はなぜキツイのか?
ビジネスの現場では、時に「いりません」と伝えなければならない場面があります。
そんなとき、多くの人は「結構です」という言葉が思い浮かぶかと思います。
ただ、使うのを躊躇したことはないでしょうか。
その感覚は、正しいのです。
「結構です」はYESにもNOにも聞こえる言葉です。
そのうえ、断る場面で使うと、丁寧なつもりでも相手にはピシャリと扉を閉められたような印象を与えてしまうことがあります。
なぜでしょうか。
「結構」は「十分足りている」が語源です。
だから「いりません」の場面で使うと、「あなたの提案を聞くまでもなく、すでに間に合っています」というニュアンスになります。
丁寧な言葉なのに、どこか冷たく響くのはそのためです。
「結構です」を使いこなそうとするより、最初から別の言葉を選ぶのが得策です。
感じよく伝えるための、言い換え3パターンをご紹介しましょう。
「結構です」を言い換えよう
①承認するとき
シンプルに「問題ございません」。
さらに感じよさを出すなら、「はい、お手数おかけしますが、よろしくお願いします」と依頼の形で返すのがお勧めです。
②断るとき
まず、「ありがとうございます。ただ、今のところ不要でございます」と感謝を先に置くだけで、「結構です」とはまったく違う柔らかさが生まれます。
さらに一歩進めるなら、「ご丁寧にありがとうございます。今回については見送ります。必要な際には、お声がけさせてください」と未来への余白を残しておくと、関係性を損なわずに断ることができます。
断るときのコツは、「まず受け止める、それから断る」の二段構えです。
「ありがとうございます。ただ今回は…」「お気持ちはうれしいのですが…」と、このクッションひと言があるだけで、同じ「断り」でも、受け手の感触は大きく変わります。
「結構です」には2つの意味があります。
だからこそ、どちらの場面でも、より気持ちが伝わる言葉に置き換えてみてください。
それだけで、あなたのビジネスコミュニケーションは、より感じ良くなります。
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。著書に5万部を突破した『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)がある。




