儲からない会社の特徴

 トヨタ自動車とある会社の業績を比較したのが下の表です。

トヨタとある会社の業績比較トヨタとある会社の業績比較(筆者作成)

 トヨタ自動車は利益が出ていますが、ある会社は赤字です。経理部の人たちは両社とも有名大学の出身者です(すなわち、人材に大差はありません)。財務会計は一定のルールで集計するため、経理部が優秀だからといって利益が出るということはありません。会社全員の仕事の結果(付加価値)を集計しているため、各社員の仕事次第で利益が出たり、赤字になったりします。各社員の仕事と原価(利益)は密接に結びついています。

儲からない会社に共通する12の弱点、経理部は「決算を行っていれば大丈夫」という考え方は非常に危険堀切俊雄 著「利益を最大にする実践的手法 トヨタ流原価マネジメント」(日経BP)

 では、儲からない会社の特徴(弱点)は何でしょうか。次のような特徴(弱点)があります。

儲からない会社の特徴(弱点)

(1)企画・生産:内外製の判断基準(外注のほうが低コスト)
(2)企画:商品開発時に原価なし⇒かかったコストに利益を上乗せ
(3)企画:購入部品の原価見積もり(推定)ができず、提示された価格の分析ができない(購入価格の決定で不利になる)
(4)生産管理:不良を見込んだ上積みの生産計画、例えば、顧客からの受注数の20%増しの生産計画を立てる(2割コスト高)
(5)工場:原価の内容が分かる管理が行われていない⇒製品別・ショップ別などの原価分析ができない
(6)企画・設計:設計者が原価を算出できない
(7)企画・経理:新規事業・新製品の原価企画が不透明
(8)企画:海外で生産する原価と日本国内での原価の比較分析ができない(国内・海外での調達先の判断を間違える)
(9)経営・経理:経済性検討ができない(将来の投資を間違える)
(10)経営・経理:自職場や製品別の変動費・固定費が整理されていない
(11)経営・経理:会計と原価マネジメントの違いが分からない(原価管理とは?)
(12)原価低減を推進しているものの、従業員が何をやってよいのか分かっていない

 会社収益を上げるためにいろいろ行っていても、こうした弱点があると、これらを克服するためには財務会計のデータだけでは不十分です。原価企画から始まる原価マネジメントが必要となります。