「自分には強みがありません」「何が向いているのかわかりません」――そんな悩みを口にする部下は少なくない。しかし、多くの場合、本当に強みがないのではなく、自分では気づいていないだけだ。だからこそ、リーダーには部下の強みを見つけ、それを言葉にして伝える役割がある。では、部下が自信を持ち、成長していくリーダーは、どんな一言をかけているのだろうか。話題の書『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が解説する。
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自分の強みは、自分では気づきにくい
「私、何も得意なことがないんです……」
部下からこんな相談を受けたことはありませんか?
でも、そんなことはありません。誰にでも必ず得意なことはあります。
人は短所には敏感ですが、強みには鈍感です。
だからこそ、自分の強みには気づきにくいものなんです。
毎日当たり前にやっていることだからこそ、「これって特別なこと」と思えない。
「資料作成が早い」「お客さんとの雑談が自然にできる」「数字のミスを見つけるのが得意」
――こうした日常の小さな能力も、立派な特技です。
でも本人は「普通のことをしているだけ」と思っている。
そこに目を向けて声をかけてあげるのが、リーダーの役割です。
コミュニケーション力と事務処理能力は、なかなか両立しない
私が関わってきた社労士事務所や税理士事務所の現場でも、こうした「隠れた強み」はよく見かけます。
親しみやすくてお客さんとの会話が上手な人は、たいてい事務仕事が苦手です。
数字の転記ミスや給与計算の漏れが出やすい。
逆に、人付き合いが少し苦手な人は、書類作成がとても正確で、細かいチェックも丁寧にこなせる。
数字のミスが格段に少ないんです。
つまり、片方が得意なら、もう片方は苦手。両方バッチリできる人はほとんどいません。
言葉にして「自覚」してもらう
部下の強みを見つけるには、日常の小さな行動に注目してみてください。
いつも丁寧に説明してくれる、資料が見やすい
――些細なことでも意識して観察していると、その人だけの特徴が見えてきます。
大切なのは、気づくだけでなく、必ず本人に伝えることです。
「それ、めちゃくちゃ強みだよ!」
この一言が、部下の自己認識を変え、自信につながっていきます。
本人が「普通のこと」と思っていることを、「それは立派な能力だ」とはっきり言葉にする。
リーダーが情熱を込めて伝えることで、「自分にもこんないいところがあったんだ」と実感できるようになるんです。
強みは見つけるだけでは意味がありません。伝えて、自覚してもらって初めて、部下の行動に前向きな変化が生まれます。








