「仕事ができて出世する人の66%が会議の冒頭で雑談をしている」のはなぜか?Photo: Adobe Stock

会議の冒頭で「さっそく本題に入りましょう」と仕切っていないだろうか? じつは、その効率的な進め方こそが議論を停滞させ、時間を引き延ばす罠だった。17万人の行動データが明かす、仕事ができて出世する人が会議の冒頭で必ず仕込んでいる「意外な工夫」とは? (構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
※本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です。

仕事ができる人が「会議の冒頭で雑談をする」のはなぜか?

「時間もないので、さっそく本題に入りましょう」

テキパキと会議を進めようと、冒頭からビジネスライクに切り出す人は多い。

時間とコストを削減する無駄のない進め方に見えるが、じつはこの「効率重視」の姿勢こそが最大の罠だ。

815社17万人の行動を分析したところ、雑談をバッサリ削る会議ほど時間が長引き、参加者を『置物』に変えてしまうことがわかった。

一方で、社内で結果を出し出世していく優秀なリーダーは、会議の冒頭に「一見無駄に見える雑談」をあえて挟む。

それはなぜなのだろうか。

2分の雑談で「会議が早く終わる確率」が45%上がる

ウォーミングアップのないまま本題に突入すると、参加者は心理的な緊張から身構えてしまう。

発言のハードルが上がり、室内に重苦しい沈黙が流れる。

結果として意見が出ず、合意形成に時間がかかり、予定時間をオーバーしてしまうのだ。

一方で、出世する人は「時間がない」からこそ、会議の頭に「2分間の雑談」を差し込んでいる。

期待されている人の66%は、週に3回以上、社内会議の冒頭で雑談をして場を和ませているとわかりました。これは一般社員における比率の29倍です。
 

(中略)実際、8社に協力してもらい累計4,000時間を費やしておこなった実験では、社内会議の冒頭に2分間の雑談タイムを設けることで会議の進行がスムーズにいくことがわかりました。
 

同じチームで、冒頭で2分間の雑談をした会議と、しなかった会議で比較したところ、雑談をした会議の方が発言数1.7倍、発言者数は1.9倍となり、会議が予定よりも早く終わる確率は45%上がったのです。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

たった2分の雑談で、発言する人数は約2倍に増え、会議はむしろ早く終わる。

雑談こそが最も効果的な「時短テクニック」なのだ。

今日からできる、会議を変える「たった1言」の工夫

出世する人が使う雑談ネタは、「最近のランチ」「天気の一言」など、誰もが打ち返せる軽量な日常ネタだ。

この短い雑談の間に相手の表情や声のトーンを観察し、コンディションを察知して会議の進行を調整している。

本音を言っても大丈夫だという「安心感」が確保されて初めて、活発な議論が生まれる。最初に心を開いているからこそ反論も素直に受け入れられ、決断が圧倒的に早くなる。

会議の雰囲気を変えたいなら、今日から試すべき行動はシンプルだ。

「本題に入る前に、全員が返せる超軽量な雑談を投げかけてみる」

「急に冷え込みましたね」
「先週末、何か面白いことありましたか?」

そんな小さな一言で場の緊張をほぐすこと。

それこそが、周囲を巻き込んでスムーズに結果を出し、社内で頭角を現すための最大の秘訣なのである。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。