ゆえに、「分析役」「確認役」がチームを支配すると、行動を起こすまでに、余計なエネルギーをメンバーに強いてしまうのです。
このチームの問題は、慎重すぎる空気を打ち破る「突破役」や「盛り上げ役」が空白のピースになっていることです。
もちろん、「分析役」と「確認役」は、すべてのチームにとって極めて重要な存在です。データを精査する、リスクを洗い出す、精度を高める、といったスキルがあるからこそ、チームは事故を防ぐことができるからです。
ですが、その力が強くなりすぎるとどうなるか。議論は深まり、作成する資料もかなりいいところまでいっている――。それなのに、なぜか前に進まない、という状況を生んでしまうのです。
行動や判断が遅いと
「機会損失」してしまう
このチームの表面上の特徴は「堅実」です。資料は緻密だし、リスク管理も完璧。感情論にもならず、会議や打ち合わせで出る意見はいつも論理的。それなのに、チーム内に流れる空気を観察していると、なぜか違和感があります。
誰も新たな挑戦をしようとしないのです。ここでは、失敗をすることは「悪」、正しく行うことが「正義」だからです。
「念のため確認しておきましょう」「もう少し検討してから」「リスクはありませんか?」という言葉も、会議や打ち合わせでは飛び交いがちです。これらは一見正論ですが、その奥にある構造は「任せる前提がない」「裁量の境界が決まっていない」「決断を担う人がいない」となっているのも事実。だからこそ、確認事項が増えるのです。
これを続けていると、チームに何が起こるのか。
私が実際に見てきたケースでは、リーダーが「もう少し精度を上げてから」と言い続けた結果、競合に市場を取られた、ということがありました。
ビジネスは、どんなに賢くても、動くのが遅ければ結果は出せません。「やる」だけではなく「やらない」と決める判断もスピードは大事。行動や判断が遅いことは、「機会損失」という形でツケが回ってくるからです。
私が見る限り、こうした職場は活力を失いがちです。「そこは問題ないと思いますよ。ちょっと調べてみましょうか?」と、突破できる人がいたら、あるいは、真面目に淡々と進む静かなミーティングで、「みんなで意見出しをしませんか?」と明るく、無邪気に切り出せる人がいたら、きっと状況は変わっていたと思います。







