「決断しない議論」は
時間の無駄遣いと同じ
この状況が続くと、次のようなことが起きます。
・成果につながるチャンスを逃す
・「挑戦」より「無難」が選ばれる
・優秀な人ほど退屈する
・意思決定の責任が曖昧になる
・チームの温度が上がらない
・会議が形骸化する
・とくに若手メンバーが提案しなくなる
さらに厄介なのは、「今はまだ検討している」ということが、何の問題もない状況になることです。私たちは、動いている感覚があると安心してしまうもの。いつものように、美しい資料を作成し、高尚な議論を重ねていると「仕事をしている感」があるので、実際に前進しているような錯覚をしてしまうのです。
ですが、厳しい言い方をすると、決断しない議論は時間の無駄遣い。「賢い人たちが集まって、責任を回避している状態」ともいえます。
このチームに足りないのは、自ら前進させる突破役だけでなく、チームの空気を動かす人です。それが、場を元気にし、周囲を動機づける役割を果たす「盛り上げ役」です。
「盛り上げ役=うるさい人」ではありません。チーム内の反応を起こす人であり、メンバーのやる気を引き出し、行動を促進させるモチベーターなのです。
このチームは、攻めが強い「突破役」と、メンバーの士気を上げる「盛り上げ役」がいるだけで、とても良いバランスの組織になります。
まずはあなたが「突破役」と「盛り上げ役」を担ってみることをおすすめします。もし苦手なら、「期間限定」でもいいでしょう。
「突破役」を担うのであれば、こんな提案を投げかけるのも効果的です。
「リスクのない範囲で、小さく実験してから決めるのはどうですかね?」
「想定されるリスクを整理したうえで、予防策と事後対処策を考えて、来週には動ける状態にしませんか?」
など、慎重な上司も決断しやすいよう、促すといいでしょう。
今のチームに「盛り上げ役」がいない場合、せっかくなので、あなた自身の成長のためにも「盛り上げ役」に挑戦してみましょう。
というのも、たとえあなたが“陽キャ”ではなくても、次の行動をとってみるだけで、「盛り上げ役」の要素を取り入れることは可能だからです。
『診断で自分らしく働ける!あなたの役割の見抜き方』(伊庭正康、朝日新聞出版)
・「いいですね!」「面白いですね!」と語尾に「!」がつくような、ポジティブ寄りのリアクションを日常で意識的に増やす(まさに、ほんの少しでいいので「演じる」感覚でOK)。
・「きっと大丈夫」「絶対、報われますよ」といった励ましの言葉を1日1回、口に出す
・「あれはすごかったですね」など小さな成功や達成を言語化する
チームに活気が戻るのは、大きな変革からではありません。「盛り上げ役」を引き受ける人による小さな反応の積み重ねからなのです。
空白のピースの役割が埋まり、正しく配置された瞬間、このチームの“慎重”は“強さ”に変わります。







