付き合い始めた頃のときめきが、結婚生活のなかでいつの間にか薄れてしまった――そんな夫婦のすれ違いに悩む人は多い。実は、情熱が長続きするかどうかは運や相性ではなく、男女の脳とホルモンの違いをどう活かすかで大きく変わるという。本記事では、その仕組みとともに、帰宅後すぐに実践できる、パートナーといつまでも惹かれ合うための具体的な方法を紹介する。(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)

仲のいいカップルPhoto: Adobe Stock

情熱はなぜ薄れていくのか?

 付き合い始めた頃の高揚感が、同棲や結婚を経て少しずつ消えていく。

 愛情は残っているのに、ときめきだけが失われる――多くのカップルが直面する悩みではないだろうか。

 これは珍しい現象ではない。恋に落ちた直後は脳内化学物質やホルモンが強く刺激されるが、相手に慣れるほどその刺激は減っていくからだ。では、情熱を長続きさせる方法はないのだろうか。

 この問いに答えを示すのが、『一人になりたい男、話を聞いてほしい女』だ。著者は『ベスト・パートナーになるために』などで世界的に知られる心理学者ジョン・グレイ氏。

 本書によると、男女の違いを理解し、「違いが相手を惹きつける」ことがカギだという。

男女は磁石のような関係

 本書は、男女の関係を磁石にたとえて説明する。

恋愛感情が長続きするのは、男と女が違うからだ。この自然な違いは、ロマンチックな化学反応やホルモン分泌の基礎になる。(『一人になりたい男、話を聞いてほしい女』より)

 男らしさをN極、女らしさをS極とすると、互いが異なる極に軸足を置いているとき、ふたりは惹きつけ合う。「男性的な男性」と「女性的な女性」が惹かれ合うのは、対極にある存在だからだ。

 逆に、ふたりが同じ極に寄ってしまうと反発が生まれる。良き友人にはなれても、ロマンチックな感情は抱きにくいと著者は述べる。

 パートナーへの魅力が薄れたと感じたら、ふたりの「磁極」が近づきすぎていないかを疑ってみるとよいかもしれない。

帰宅後がホルモン調整の鍵

 では、具体的にどうすればいいのか。

 本書が注目するのは、仕事を終えて家に帰った後の時間だ。このとき男性はテストステロン(男性ホルモン)を、女性はエストロゲン(女性ホルモン)を回復させることが重要だという。

男性はまず、自分が男らしさを取り戻すべきだ。男らしく彼女の話に耳を傾けることで、女性は女らしさを回復しやすくなる。(『一人になりたい男、話を聞いてほしい女』より)

 職場で自立や積極性を発揮している女性は、抑えていた気持ちをパートナーに話すことで女らしさを取り戻しやすくなる。

 それは同時に、男性が男らしさを回復する助けにもなると本書には書かれている。

 つまり、男性の「傾聴」の姿勢と女性の「話す」行為は、互いの磁極を整え合う効果的な回復テクニックなのだ。

子育て家庭にも効く知恵

 この知恵は、夫婦ふたりの関係だけでなく子育て家庭にも応用できるだろう。

 共働きで時間に追われる夫婦こそ、帰宅後に「夫が聞き役に回り、妻が気持ちを吐き出す」数分間を持つことで、家庭全体の空気が安定するかもしれない。

 親同士が惹かれ合い、穏やかに会話する姿は、子どもが将来築くパートナーシップの手本にもなるだろう。

 男女の違いを責め合う材料にするのではなく、惹かれ合うための資源として活かす。その発想の転換が、家族の幸福を長く支えてくれるはずだ。