停電後も暮らせる
インフラ設備を整える

 大地震では、建物が無事でも電気やガス、水道が止まる可能性がある。自宅で生活を続けたい場合は、太陽光発電や蓄電池、電気自動車などを利用した電源確保が選択肢となる。

 ただし、太陽光発電を設置しただけで、停電中も普段どおり家中の電気を使えるとは限らない。一般的な設備では、日照がある時間帯に、自立運転用の専用コンセントから限られた電力を使う仕組みとなっている。一方、蓄電池や対応する分電盤を組み合わせれば、夜間に電気を使ったり、複数の部屋や家全体へ給電したりできる場合もある。

 導入時には、自立運転機能の有無、給電できる回路、出力上限、夜間の利用可否、停電時の切り替え方法を確認しておきたい。

 たとえば蓄電池があれば、昼間に発電した電気を夜間にも使える。V2H(Vehicle to Home:電気自動車<EV>やPHEVのバッテリーから自宅へ電力を供給し、クルマを「走る蓄電池」として活用するシステム)を導入すれば、対応する電気自動車やプラグインハイブリッド車の電力を住宅へ供給することも可能だ。一方で初期費用は大きいため、想定する避難生活の期間や日常の電気代削減効果を踏まえて判断する必要がある。

地震保険と情報収集も
備えの一部

 地震保険は、住宅を元通りに修理するための費用を全額補償する保険ではない。被災後の生活再建を支えることを目的とし、損害の程度に応じて保険金が支払われる。

 地震後に一見大きな被害がなくても、基礎や外壁、室内などに損傷が生じていて保険金がおりる可能性があるため、加入者は保険会社へ相談したい。

 耐震等級3であることを住宅性能評価書などの所定の書類で証明できれば、地震保険料に50%の割引が適用される。住宅会社から「耐震等級3相当」と説明されるだけでは割引の対象にならないため、等級を証明する書類を取得できるか確認しておきたい。

 災害時には、SNS上で不確かな情報が広がることもある。気象庁の防災情報や国土交通省の「防災ポータル」など、公的機関の情報をすぐ確認できるよう、日頃からスマートフォンに登録しておきたい。

 地震への備えは、特定の工法や設備を一つ選べば終わるものではない。土地、地盤、構造計算、間取り、非常用電源、保険、情報収集を組み合わせることで、建物の安全性だけでなく、被災後も生活を続けられる家に近づいていく。