ジャングリアや美ら海水族館のアクセス改善
玉城デニー県知事「一刻も早く開業を」

 まず、沖縄鉄軌道計画をかいつまんで説明しよう。県では2014年~17年にかけて、県民延べ6万2000人からの意見を基にルートなどを選定。19年に那覇空港から那覇市内、浦添市、宜野湾市、うるま市、恩名村を通って名護市に至る鉄道計画を発表した。

 続く23年には、糸満市や南城市など南部主要都市を結ぶルート、北側ではジャングリアや美ら海水族館などへのアクセスにもなる本部町方面への延長支線、中部では読谷村などを経由する代替案など複数のモデルルートを比較評価している。

 そして24年8月には、「沖縄鉄軌道の事業化に向けた取組の加速化に係る要望書」を県から国に対して提出した。全国新幹線鉄道整備法を参考とした「特例制度」の創設や、他都道府県との均衡を図る観点から「国による事業実施に向けた取り組みに早期着手すること」を要望している。

 要望を受けて内閣府は、新幹線整備の仕組みを使う方法は否定した。一方で関連報告書では「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法のような面的整備を伴いつつ鉄道整備を行った事例や、PPP等民間活力を取り入れた事例なども視野に入れた新しい事業スキームや特例制度の検討を進める必要がある」と記載している。要するに、「新たな仕組みを作る検討」も、視野にあるだろう。

 さらに25年8月には、玉城デニー・沖縄県知事が沖縄鉄軌道の早期開業を求める声明を発表した。一部区間の先行着手・開業も視野に入れるなど、県としては鉄道を一刻も早く開業させたい意向を示した。

 知事がここまで意欲を見せるのも、クルマ社会・沖縄の根深い交通問題があるだろう。読者の中には「沖縄本島に鉄道なんて必要なの?」と思う人もいるかもしれないが、筆者は、人口動態や交通事情を踏まえると鉄道整備を検討する意義は大きいと考える。