SNS投稿を個人の判断に委ねない
整備すべき社内ルールとは?

――同じような事態を防ぐためには、どのような対策が必要でしょうか。

細井弁護士:まず重要なのは、SNSへの投稿を担当者個人の判断に委ねないことです。企業としてSNS投稿基準を策定し、複数人による確認・承認フローを整備するとともに、営業秘密や取引先情報が写り込んでいないかを投稿前に確認する体制を構築する必要があります。

 もっとも、SNS投稿時のチェックだけでは十分ではありません。そもそも、どの情報を重要情報として管理するのか、誰がアクセスできるのか、どのように管理・保管するのかを明確にし、情報管理規定や営業秘密管理規定などの社内ルールを整備しておくことが重要です。

 例えば、営業秘密や取引先情報へのアクセス権限を適切に設定するほか、パソコン画面や書類が第三者から見えないよう管理し、営業資料やホワイトボードなどが写り込む場所では撮影しない、撮影前には画面をロックし書類を片付けるといった基本的なルールを徹底することも重要です。

 さらに、規定を整備するだけでは十分ではありません。従業員への研修や定期的な周知を行い、ルールを現場で実践できる仕組みを構築するとともに、情報管理の責任者や報告ルート、初動対応の手順をあらかじめ明確にしておくことも重要です。

 SNSは企業の魅力を発信する有効なツールですが、その一方で、情報管理が不十分であれば企業に大きな損害をもたらすリスクもあります。

 企業としては、SNS投稿基準や承認フローの整備に加え、情報管理体制の構築、従業員教育、初動対応フローまでを一体として運用し、組織として情報漏えいを防ぐ仕組みを構築することが重要です。

情報漏えいしたら
真っ先にすべきこと

――万が一、情報漏えいが判明した場合に企業はまず何をすべきでしょうか。

 最も重要なのは、慌てて対応するのではなく、被害の拡大を防ぎながら組織として冷静かつ迅速に対応することです。

 まずは、どの情報が漏えいしたのか、どこまで拡散しているのかを速やかに確認します。その際、投稿を安易に削除する前に、スクリーンショットなどで証拠を保全し、後から事実関係を検証できるよう記録を残しておくことが重要です。