細井弁護士:次に、漏えいした情報の内容や影響範囲を調査し、必要に応じて投稿の削除やSNS事業者への削除要請を行います。

 また、取引先の情報や営業秘密が漏えいした場合には、速やかに事実関係を説明し、影響や今後の対応方針を共有することも重要です。誠実かつ迅速な対応は、取引先との信頼関係を維持し、被害の拡大を防ぐことにもつながります。

細井大輔弁護士細井大輔(ほそい・だいすけ)/弁護士。2007年弁護士登録。日本で最も歴史のある渉外法律事務所・ブレークモア法律事務所にて企業法務を中心に取り組み、2016年に大阪・北浜にて「かける法律事務所」を設立(現在法人化)。企業法務・コンプライアンス・不祥事対応・知的財産・M&A・労務人事問題など幅広い分野を手がけ、企業の持続的成長を法務面から支援。コンプライアンス研修・ハラスメント予防研修の講師としての登壇実績も多数。

 さらに、情報の拡散が続いている場合や悪質な投稿が行われている場合には、削除請求や発信者情報開示請求などの法的対応を検討するとともに、社内では漏えいの原因を調査し、管理体制や運用ルールを見直して再発防止につなげることが重要です。

 重要なのは、「問題が起きてから考える」のではなく、平時から初動対応フローを整備しておくことです。

 誰が事実関係を確認し、誰が取引先への説明や法的対応を判断するのかなど、役割分担や意思決定の流れをあらかじめ明確にしておくことで、緊急時にも迅速かつ適切な対応が可能になります。

 情報漏えいは、初動対応の内容やスピードによって、その後の企業の信用や損害の大きさが大きく左右されます。だからこそ、企業には、平時から危機管理体制や初動対応フローを整備し、組織として迅速に対応できる仕組みを構築しておくことが求められます。

 企業の信用は、一度失うと取り戻すのに多くの時間と労力を要します。

 だからこそ、問題が起きてから対応するのではなく、平時から情報管理体制や危機管理体制を整備し、組織として情報を守る仕組みを構築しておくことが何より重要だと考えています。

※プライバシー保護のため、登場人物に関する情報の一部を変更しています。

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>>【第2回】「「1枚の社員の集合写真」がSNS投稿で大炎上…何が問題か、あなたは気づけますか?」は8月10日(月)に配信予定です