相手に「この人は安全な人だ」「断っても仕事に影響はないんだな」と思わせる細やかな配慮こそが、ハラスメントの壁を越え、仕事相手と心地よい距離を縮めるための第一歩になるのです。

憧れの人だからこそ
対等な立場でオファーをする

 業界の第一線で活躍している憧れの人や、ずっと会ってみたかった目上の大先輩。そんな人と距離を縮めたいとき、僕たちはついこんなアプローチをしてしまいがちです。

「ずっと大ファンでした!」

「今度、〇〇さんの講演会に必ず行きますね!」

 しかし、こうした「ファン」としての近づき方は、おすすめしません。

 ある著名なインフルエンサーの方が、以前こんなことを言っていました。

「私は、本当に会いたいと思う人の講演会には絶対に行かない。なぜなら、お金を払って話を聞きに来た『客』と『講師』という関係性ができてしまうから。自分の道で頑張っていれば、いつか対等に会えるチャンスが来るはず」

『「誘える人」がぜんぶ手に入れる』書影「誘える人」がぜんぶ手に入れる』(五百田達成、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 これには僕も深く共感しました。最初からお金を払う「客」や「ファン」という下のポジションに入ってしまうと、そこから対等な友人や仕事相手に昇格するのは、非常に困難になります。「ありがたいお客さんの1人」として処理されてしまい、相手の記憶に残ることはないのです。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 本当にその人と対等な関係を築きたいのであれば、ファンとしての顔は隠しましょう。少し背伸びをしてでも、ぬけぬけと対等なスタンスでオファーをすることが、相手の懐に入る秘訣です。

 憧れの人や目上の人を前にすると、ついへりくだって自分を小さく見せてしまいがちです。そこで、意図的に関係性を「対等」なものへと引き上げる姿勢を示すこと。それが、雲の上の人と仕事やプライベートでつながるための、したたかで効果的な技術でもあります。