会話が途切れそうになったら
一生タコワサの話をしておけばいい

 これこそが、情報を丸裸にせずに会話をつなぐ、非常にハイレベルな大人のトークです。

 フロアの縁に沿って、ぐるぐると踊り続ける社交ダンスをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

 社交ダンスは、複数のペアが同じフロアで踊っていても、お互いが近づきすぎてぶつかったり足を踏んだりしないよう、一定の距離を保ちながら安全に踊り続けられる工夫とマナーが義務づけられています。

 大人の会話もそれとまったく同じです。お互いのパーソナルスペースという核心にドカドカと踏み込んで衝突するのではなく、少し離れた周辺の話題で軽やかにステップを踏む。この「地雷を踏まない安全なダンス」を踊り続けることこそが、大人数での心地よい場を保つ秘訣なのです。

 では、周辺の話題すら思いつかないとき、複数人の集まりで何を話せばいいかわからなくなったとき、僕たちはどうすればいいのでしょうか。

 答えは簡単です。目の前にある「料理」や「飲み物」の話をすればいいのです。

『「誘える人」がぜんぶ手に入れる』書影「誘える人」がぜんぶ手に入れる』(五百田達成、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「このタコワサおいしいね」

「これ、すごくいい味付けですね」

「次は何を頼みますか?」

 ただひたすら、メニューの話をして、安全な話題で笑顔を共有していれば十分。無理に相手のプライベートをいじったり、尋問のように質問攻めにしたりする必要はまったくありません。

 会話が途切れそうになったら、一生タコワサの話をしておけばいいのです(笑)。

 相手の個人的な情報がなくても、深い人生哲学の話をしなくても、大人の会話は立派に成立します。むしろ成立させるべき。「これおいしいね」と言い合いながら、誰も傷つけない安全なダンスを踊りましょう。