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わかりやすく説明したつもりなのに、相手が行動してくれない。そんなとき「もっと上手に話さなければ」と考えてはいないだろうか。しかし、いくら伝え方を磨いても相手に言葉が届かなければ意味がない。人を動かす伝え方の極意を解説する。※本稿は、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長の伊藤羊一『語りの牙 論理と感情をつなぎ、確実に刺す全技術』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
「ちゃんと伝えたつもり」なのに
相手が動いてくれないのはなぜ?
さっそく伝え方のテクニックを……とお話ししたいところですが、その前に、私たちがまず書き換えなければならない「思考のOS」があります。それは、コミュニケーションにおける「主役」の再定義です。
コミュニケーションにおいて「一方通行」の言葉は、ほとんど意味を成しません。
あなたがどれほど流暢に話し、どれほど完璧な資料を用意したとしても、その言葉が相手にとって「自分ごと」として脳内に移植されなければ、相手の行動が変わることは万に一つもないのです。
私が強調したいのはゴール設定のあり方です。
多くの人が「伝える」ことをゴールに設定していますが、それは大きな間違いです。何度でも言います。私たちの目的は、相手を「動かす」ことです。
相手が自ら一歩を踏み出し、未来を変えようと決意する。そこまで到達して初めて、コミュニケーションは成立したと言えます。
この「動かす」という目的を達成するためには、これまでの伝え方を根本から組み直す必要があります。相手の心の扉を開けて、その奥底に眠る情熱に火をつける。そのために必要なのが、相手の脳と心に深く食い込む「語りの牙」なのです。







