仕事や勉強に集中しようと思っても、なぜか集中力が続かず、なかなか作業が進まない。そんな人は、もしかすると「休憩の取り方」に問題があるのかもしれません。500万ダウンロードを突破したアプリ「集中」の開発者で、『脱スマホ術』の著者・戸田大介さんは、「休憩中にスマホを見ると、脳が休まりにくい」と言います。集中力を長く保つためには、どのように休憩をとればいいのでしょうか。戸田さんに聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

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休憩を入れずに作業を続けると、集中力が低下する

――仕事を始めた直後は集中できるのですが、時間が経つにつれて、だんだん集中できなくなります。集中力を保つ方法を教えてください。

戸田大介(以下、戸田):集中力には限りがあります。一度疲れ切って集中力が大きく落ちてしまうと、そこから回復させることは簡単ではありません。ですので、大切なのは、「疲れた」と感じてから休むのではなく、疲れる前にこまめに短い休憩をとることです。

 一つの作業を休みなく何時間も続けるのではなく、たとえば「25分作業したら5分休む」というように、「作業→休憩→作業→休憩」のサイクルをつくります。

 まだ余力があるうちに、1分、2分でも休憩を入れることで、その後の集中力に差が出ます。一度集中すると、作業を止めるのを忘れてしまう人も多いので、アラームつきのタイマーで強制的に時間を区切るのがおすすめです。

――ただ、仕事が乗ってきたところでタイマーが鳴ったら、「せっかく集中しているのに、ここで止めたくない」と思って、続けてしまいそうです。

戸田:そう感じる方は多いです。実際、作業と休憩を繰り返す方法を始めたばかりの頃は、途中で作業を止めること自体にストレスを感じることがあります。

 ただ、その抵抗感は、続けていくうちにだんだん小さくなります。最初は単純に、「慣れないことをしている」こと自体がストレスになっている面があるからです。

 また、「作業を中断すると、かえって効率が悪くなる」と思う方もいるかもしれません。しかし実際には、休憩を挟んだほうが生産性が高まることを示した研究は数多くあります。

 一度集中が切れると、なかなか作業に戻れないという人ほど、疲れ切る前に休憩を入れる「作業→休憩」のサイクルをぜひ試してみてほしいです。

事前に「休み方」を決めておく

――休憩の取り方には、ポイントはありますか?

戸田:休憩中にSNSを見たり、メールやメッセージを返信したりすると、脳は十分に休まりません。

 外からの刺激を処理していない間にも、脳はそれまでに得た情報を整理しています。ところが、その空白をSNSや動画で絶えず埋めてしまうと、休憩中も次々と情報を受け取り続けることになり、せっかく休憩しても脳が十分に休まりません。

 ですので、「部屋の中を少し歩く」「ストレッチをする」「飲み物をゆっくり用意する」「窓から外を眺める」など、スマホから離れて過ごすことが大事です。

――確かに、「ちょっと休もう」と思った瞬間に、スマホを開くことは多いですし、疲れているときほど、スマホを見たくなる気もします。

戸田:そうですね。そして、疲れているときに「ちょっとだけ……」と一度でもスマホを見ると、そこから復帰するのは、絶望的にむずかしいです。

 SNSや動画アプリの多くは、ユーザーにできるだけスクリーンにとどめることを目指してつくられています。次々と投稿が現れるタイムラインや、短い動画が途切れなく再生される仕組み、スマホへ注意を引き戻す通知など、見続けたくなる仕組みがたくさんあります。

 仕事で疲れて、「ちょっとだけ休もう」とスマホを開いたつもりが、気づけば10分、20分とSNSや動画を見てしまうこともあります。

 つまり、「疲れて集中力が落ちる→休憩しようとスマホを見る→十分に休めない→仕事に戻っても集中しにくい」という悪循環に入りやすいのです。

 そこでおすすめなのが、休憩中に何をするかをあらかじめ決めておくことです。「立ち上がって、肩をゆっくりストレッチする」などと決めておけば、なんとなくスマホに手を伸ばしてしまうのを防ぎやすくなります。

「作業と休憩のサイクルをつくること」、そして「休憩メニューを事前に決めて、機械的に実施すること」。この2つを意識するだけでも、集中力を長く保つうえでとても有効です。