ここにきて米国株式市場でS&P500が過去最高値を更新したが、日経平均は乱高下している。
こんなとき、「貯金」か「投資」か、何を軸に判断したらいいのか? そこでライターの米多寿樹氏が「貯金と投資の名著」を厳選。「読むと人生が変わる」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』のエッセンスを特別配信する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

年収500万円の人が【今すぐ】投資すべき理由・ベスト1Photo: Adobe Stock

自分の「現在価値」とは?

『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ダイヤモンド社)の中で、著者のニック・マジューリはこう言っている。

将来に得られるはずの収入と割引率がわかっていれば、その収入にどれだけの現在価値があるかを計算できる。
――『JUST KEEP BUYING』より

まず、(著者は書いていないが)そもそも現在の収入に自分が満足していることが、この計算式を読者が自分事として受け止める上での大前提になっている……と私は思う。

当然、そういう人ばかりではないだろうから、ここでは自分のリアルな収入に限らず、「このくらいの収入があれば穏やかに生きられそうだ」と今の自分が感じている理想の年収を想定してもいい。とにかく、イメージを具体化することが大切だ。

そのために著者が米国の読者のために書いた文章を、日本の事例に置き換えてみよう、それによって本書を手に取るきっかけにもしてもらおう、投資に踏み出してもらおう……というのが、前回の記事と今回の記事の狙いだ。

すでに「投資すべき」と説得されている人にとっては、ちょっとした頭の体操としてのいい読み物になるのではないかと期待している。

年収500万円の人が投資すべき理由とは?

というわけで、これからの計算では「年収500万円」で考えてみよう。
これが多いか少ないか。居住地域や世帯人数などによっていろいろ感覚は変わると思うが、少し恵まれた平均値くらいのところではないだろうか。

この状態でこれから40年働くとすると、今後の生涯収入は2億円。ここに割引率という発想を加える。割引率を3%と仮定すると、現在価値は約1億1600万円となる。

つまり、1億1600万円を年利回り3%で資産運用すれば、資産を目減りさせることなく、40年間、毎年500万円を引き出せるのだ。なんだか夢みたいな話である。

しかし、前回の記事で触れたとおり、人的資本はどうしても将来的に減少せざるをえない。
要するに、労働を通じて得る収入はどこかで、確実に減少する。いつまでも増え続けることはない。生活を維持するためには、こうした状況をなんらかの形で構築するしかない。

こうした数字を具体化することで、何をどうしなければいけないかの大方針が見えてくる。

この記事だけではやはり納得がいかない、前に進めないという人は、ぜひ本書を改めて手に取ってみてほしい。