Webサービス、ゲーム、スマホアプリなどインターネットコンテンツの制作で知られる一方、サイコロで給料を決めるなど、ユニークな制度でもその名を知られるカヤック。“面白法人”と呼ばれるにふさわしい面白い仕組みを持っています。代表取締役の柳澤大輔氏にお話を伺いました。(撮影/石郷友仁)

労働時間は裁量労働制
いつ帰社してもOK

面白法人カヤック代表取締役柳澤大輔氏(左)と筆者

本田 労働時間は裁量労働制だそうですね。

柳澤 決まった会議以外は、自由ですね。ランチの時間が決まっているわけではない。1時間でも2時間でもランチしてきても問題ないです。ちょっと歯医者に抜け出して、なんてことも、もちろん自由です。

本田 自分で時間を自由に組み立てられるわけだ。

柳澤 ただ、労働時間は長いと思います。やっぱりクリエイターの会社ですので。自分で自由にやってください、という裁量労働制ですが、何時に帰ってもいいかわりに、長い人は長い。基本的には個人の自己選択を最も重視していますので、週休3日や時短を選択した人たちが、居づらくならない組織にしようということは徹底しています。

本田 クリエイターだから、クリエイティブだから長時間かかってもいい?

柳澤 この世界は長くやればいいものができる、というイメージがあります。でも、そうは思いません。ブレストは1時間以上はしない。時間をかければ、いいクリエイティブになるわけではない。制作会社から来る人は戸惑う人もいますが、いいものを作るのに時間をかけようとするのはダメだと言っています。時間がかかった時点で、いいものではなくなる、と。

裁量労働制ですが、始業時間だけは決めています。朝9時半が始業です。もっとも7割くらいしか来ていませんが(笑)。遅刻したから厳罰に処されるわけではありませんが、いちおう決めています(笑)。僕自身、サーフィンをしてから会社に行くことが多いんですよね。波が良くても1時間半で上がると決めていますが、出社するのは10時くらいになってしまうことが多いんです(笑)