サイコロ給にスマイル給
サイコロを振って給料を決める
本田 こちらには有名なサイコロ給がありますよね。
柳澤 サイコロを振って、6が出れば基本給に6%が加算される仕組みです。5なら5%。4なら4%です。6、7年前に、そこにあたらしい仕組み「スマイル給」を加えました。毎回、ランダムに決まる社内の相手に対して、相手を褒めてあげると、それが給与明細にのる仕組みです。
「○○給 0円」と相手から評価してもらうことで、給与明細を開く楽しみを大きくしよう、0円だけど価値のある給与はあるはずだ、と考えました。
本田 面白い仕組みですね。
柳澤 でも、明細を開けたときに、スマイル給がないとがっかりしますよね。そこで人事が考えたのが、「スマイル給」を書かないと「サイコロ給」は出ない、というルール。「サイコロ給」は最低でも1%、最高なら6%の基本給アップになります。30万円の給料なら、1万8000円。40万円なら、2万4000円です。
本田 決して小さな額ではありませんね。
柳澤 これなら、きっとスマイル給を書くだろうと思ったら、やはり書かない社員はいるのです。このときにわかったことは、意外にお金をみんな、気にしていないのではないか、ということでした。面倒なことはやらない、というよりは、お金に関心がない。たった一言スマイルを書くだけで済むのにやらないんですから。
カヤックはウェブ業界の普通の給与水準だといいます。つまり、給料に関してはそれで満足している、もっと大きく求めようとはしていない、ということなのかもしれません。