夏は海の家でランチ
働く環境は選べる

サイコロで給料を決める<br />ユニークな会社があった<br />【企業インタビュー:カヤック編】会社の制度こそ、クリエイティブであるべきだと思うんです。

本田 人事部はもともとクリエイターだったそうですね。

柳澤 クリエイターをコンバートして人事にしています。ですから、面白い材料を仕掛けていくことを夜な夜な考えていますよ(笑)。実は会社の制度こそ、クリエイティブであるべきだと思うんです。“変態診断”だって、人事から出てきたアイディアですからね。報酬制度も、クリエイターに特化して作ろうとしているんです。

本田 根底に流れているのは自由でいい、という発想ですね。

柳澤 どんな働き方もやってみればいいのです。制度化しているのは、それを実現しやすくするためのもの。特殊な働き方をして成果が出ているのであれば、それでいい。新たなロールモデルになるかもしれないので、丁寧に伝えてほしいんです。もとより仕組みやルールを守ることが、組織の目的ではありません。成果が出せて、社員が心地よく働けるための仕組みやルールであればいい。そういうものがあれば、本来はどんどん取り入れるべきだと思うのです。

サイコロで給料を決める<br />ユニークな会社があった<br />【企業インタビュー:カヤック編】昼過ぎにちょっと海に行って、海風に当たりながらブレストしたり。この環境は最高だよね、っていう思いを持っている人は多いかもしれません(柳澤)。写真提供/カヤック

本田 先にも言いましたが、こちらのオフィス環境は抜群ですね。

柳澤 IT系で鎌倉にオフィスがあるところは増えていますが、まだ少ないと思います。でも、いいところなんです。サーファーが多いから、水着が中に干してある、なんて会社も多いですしね。夏はサンダルばきです。海の家が近いから、そこでランチをしたり。そういうところに価値を置いている人が集まっている気がします。昼過ぎにちょっと海に行って、海風に当たりながらブレストしたり。この環境は最高だよね、っていう思いを持っている人は多いかもしれません。それも人生の価値じゃないですか。

 実は、働く環境は極めて重要です。どんなにお金があっても、環境を買うことはできません。人間にできることは選ぶことだけです。そしてその選択肢が今、増えてきている。
 どんな環境が自分に合っているのか。理想的なのか。固定観念を取り除いて、考えてみることが大切な時代になってきているのです。