事前に登録しておいたスポットに接近すると知らせてくれる「Will go later」。アラームの精度は、半径500メートルから半径3キロメートルまでの6段階まで、設定可能。

「気になっていたお店の近くまで行ったのに、立ち寄るのを忘れてしまった」「いざ目的地に到着してみると、記憶が曖昧だった」――外出先でそんな経験をすることは、誰にでもあるに違いない。

 そんなときに活用したいのが、面白法人カヤックがリリースした「Will go later」というサービスだ。「あとで行きたい」と思った場所を事前に登録し、実際に現地に赴いた際に知らせてくれるソーシャルロケーションリマインダーサービスである。

「Foursquare」を筆頭に、位置情報を利用したソーシャルメディアは、現在、注目度の高いサービスだ。“スポットへのチェックイン”――つまり「今、どこにいるか?」を発信することで、お気に入りのお店を知らせたり、あるいは、近くにいる友人を探したりするといった愉しみ方ができる。

 一方「Will go later」の場合、「未来の予定」と「位置情報」とをマッチングさせている点に特徴がある。現在地ではなく、「これから行きたいと考えている場所」をメモ感覚で登録、あるいは発信することができるのである。スポット情報の登録は、PCサイト、あるいはスマートフォンアプリから追加していけばよい。

 また、専用のブックマークレットも用意されているので、クチコミサイトに掲載されているお店のデータなどを簡単にピックアップしていくこともできる。利用にはFacebookかTwitterアカウントが必要となるが、これらと連携させることで、知り合いの「あとで行きたい」「いつか行きたい」場所を共有することも可能だ。

 そして「Will go later」の一番の特徴と言えるのが、リマインド機能である。アプリを起動させると、登録してあるスポットを現在地に近い順にリストアップしてくれる。また、絶対に忘れてはいけないような重要なスポットの場合、その場所に近づいた際にアラームが鳴るようにセットしておくことも可能だ。出先で少し時間が余ってしまった場合などにアプリを起動させれば、“忘れていた店”を思い出すことができるというわけだ。

 それだけに、「現在地」を伝えるだけの一般的なチェックインサービスと異なり、色々なシチュエーションに合わせて、スポット情報をどんどん登録していく愉しみがある。『Will go later』は、「リマインド」を主な目的としているため、登録したことを忘れてしまっても全く問題がないのである。

「むしろ、スポットをたくさん登録してマイリストを充実させるほど、面白く感じられると思います」(面白法人カヤック 演出部 前田良二氏)

 たとえば、知人から教えてもらった飲食店や雑貨店の情報などはもちろん、旅先で立ち寄ってみたい名所や絶景スポット、出張先での待ち合わせ場所などをどんどん登録していくとよい。現地で『Will go later』アプリを起動すれば、たとえ登録したことを忘れてしまっていても、最寄りのスポットを自動的にリスト表示してくれるのである。

 今後は、友人をフォローしたり、リスト化したスポット情報をシェアしたりする機能も視野に入れているという。たとえば、旅慣れた友人のスポット情報をシェアすることができれば、観光地の有名スポットを見逃してしまう心配も減る。あるいは逆に、誰も知らないような穴場スポットを知ることもできるかもしれない。

 『Will go later』で蓄積したスポット情報は、「未来に向けてのアーカイブ」と言える。「あとで行く」スポットが増えれば増えるほど、その先に待っている未来は、ワクワクしたものへと変化していくと言えそうだ。

(中島 駆/5時から作家塾(R)