マネジャーのマイルールは
部下にまで波及すると心得る

 もしあなたがマネジャーの立場にあるなら、あなたのマイルールは単なる個人の習慣にとどまらず、チーム全体に影響を与える可能性があります。マネジャーが「金曜日の午後は作業に集中する」と宣言し、実際にそう行動していれば、メンバーも「金曜日の午後は会議に上司をアサインできないから、別の日にしよう」と考えるようになります。マネジャーがカレンダーに自分の予定をどんどん入れてブロックしていけば、メンバーもそのようにカレンダーを運用するようになるでしょう。

 逆に言えば、マネジャーが深夜にメールを送り続けていたら、部下は夜中、もしくは出社前に「返信しなければ」とプレッシャーを感じるでしょう。マネジャーのマイルールは、意図せずとも「チームの非公式ルール」として機能してしまうのです。だからこそ、マネジャーこそ意識的にマイルールをデザインし、チームにポジティブな影響を与えることが求められます。

コミュニケーションコストを
下げるためキャラ設定をする

『組織の成果を最大化する ルールのデザイン』書影組織の成果を最大化する ルールのデザイン』(安斎勇樹、水野 祐、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 マイルールを実践し続けると、周囲は「この人はこういう人だ」と認識するようになります。「あの人は朝型だから、午前中に話を持っていこう」「あの人は集中したいときにヘッドフォンをつけるから、そのときは話しかけるのを避けよう」──。こうした暗黙の了解が生まれることで、コミュニケーションコストが下がります。

「ナレッジを積極的に共有する」人になれば、「こういう情報があるんだけど、興味ある?」と周囲から自然と情報が集まるようになり、「こういう場合に役立ちそうな情報を知っている?」「こんなとき、あなたならどうする?」と相談を持ちかけられるようになるかもしれません。

 さらに進んで、お互いのキャラクターや働き方の特徴を可視化しておけば、仕事がやりやすくなります。「私は午前中に集中作業をします」「私は午後イチでミーティングをします」「私は即レスが苦手なので、急ぎの件は連絡してください」といった情報を、チーム内で共有しておくのも効果的です。

閉塞感を打破するために
ルールを破る勇気を持つ

 マイルールを持つということは、時に組織の暗黙のルールに抗うことにつながるかもしれません。「みんながやっていること」と違う行動を取ることに、最初は抵抗を感じるでしょう。けれども、前例踏襲やことなかれ主義にとらわれていては、組織は何も変わりません。組織の閉塞感を打ち破るため、時にはあえて「ルールを破る」勇気を持つことが、変革への第一歩となります。

 もちろん、ルール破りが目的ではありません。組織のルール本来の目的に立ち返り、「このルールは本来の目的を果たしているのか」という問いを投げかけ、ルールの問題点に組織として気づいてもらうことが目的です。ひるがえって組織は単に「違反者を罰する」のではなく、「なぜルールは守られなかったのか」を分析し、より良いルールへの改善につなげるべきなのです。