
虎太郎の絶望
戊辰戦争の生き残りの屈折した中年男性と、夫を亡くしたシングルマザーが共に気晴らしを探そうと誓う。
直美の再婚相手に平蔵がなったらどうしようと、へんな想像をしてしまった。
一方りん。虎太郎(小林虎之介)が事務所を訪れる。
戦場に行っていた虎太郎が帰国していた。でもなんだか元気がない。
「虎太郎が無事で本当によかった」とりんが言うと、「俺がいたのは戦線のずっと後方だったから」とうなだれたまま。
からすの声に激しくびくつく虎太郎。
こ、これは、朝ドラで時々描かれる戦争のPTSD?
あまりにも過酷な状況に遭って、心が深く傷ついてしまうのだ。
「人の生き死にはくじ引きみたいなもんだ。
がんばったやつが報われるわけじゃない」
あれだけ「頑張ったら報われる時代が来た」と張り切っていた虎太郎が、頑張っても報われない不条理にぶち当たった。正確にいえば、かつて、がんばっても報われない身分制度に苦しんだ彼が、それを打破したつもりだったが、結局、それは幻想だったことを突きつけられたのだ。
かつて、りんがくれたハンカチーフを、虎太郎はずっと大切に持っていた。
戦場でもお守りにして、戦地で知り合った兵隊にお守りになればと渡したが、その願いは叶わなかった。
こういう場合、お守りを渡したほうが亡くなり、もらったほうが生き残るというような物語があるが、すべては時の運でしかない。
「わからなくなった。これからどうしようか」と迷子になった虎太郎に、りんはやさしく言葉をかける。
「虎太郎はあの頃とおんなじ。優しい虎太郎のまんま。おかえり虎太郎」
自信をなくしている人には「頑張れ」と励ますより、その人の変わらない良さを伝えるほうが、心に届くこともあるのかもしれない。
夕焼け。
台所でハンカチーフを洗う。うっすらついた血のシミがとれない。
このハンカチーフは、もともとは捨松(多部未華子)がりんにくれたものだ。
りんが看護の仕事につくきっかけになったハンカチーフと言ってもいい。
怪我した虎太郎の手にこのハンカチーフを巻いて手当てして、それを虎太郎がずっと持っていた。
タイトルバックの映像にも、白いハンカチーフが描かれている。







